2016年度県保育賞を受賞した 冨田 弘美さん 岩瀬在住 54歳
帰ってこられる園目指して
○…児童福祉施設に長年勤務し、他の模範となる働きが認められた人を表彰する神奈川県保育賞をこのほど受賞した。岩瀬保育園(社会福祉法人つきかげ会運営)の保育士として、30年にわたって子どもたちの成長を見守ってきたほか、2003年に市保育士会会長、11年には県保育士会会長を務め、各地の勉強会にも積極的に出席する姿勢などが評価された。「知らせを聞いた時はびっくりしましたが、今は周りの人への感謝でいっぱいです」と笑顔で語る。
○…東京都出身。現在の仕事を目指すきっかけは、高校2年生の時に見た保育士のドキュメンタリー番組だった。「こんなにやりがいのある仕事なのかと衝撃を受けた。将来、保育士になりたいと強く思いました」と振り返る。理系コースに進んでいたものの、すぐに保育士になるための勉強を開始。短大へ入学し、勉学に励んだ。
○…卒業後は実習先だった川崎市内の保育園に就職。「子ども達から先生と呼ばれることがなにより嬉しくて」と5年間、試行錯誤を重ねながら充実した日々を過ごした。同じ保育士の夫と出会ったのもこの時だ。「子どもたちに対する気持ちが似ていた」と意気投合。結婚後、夫の両親が運営する岩瀬保育園で勤務を開始した。
○…現在は主任保育士として各クラスのサポートや保護者支援、地域行事における調整役など多岐にわたる仕事を行っている。園の「顔役」として忙しい日々を過ごすが「疲れたときは園児たちに会って癒されています」と根っからの子ども好きだ。卒園児が成人式といった人生の節目に姿を見せに来てくれるのが保育士の醍醐味とも。またこれまで、思春期を迎え家族や学校、友人関係で悩む子たちからの相談を何度も受けてきた。「私はいつでもここにいるから、何かあったらいらっしゃい」。来年の春に卒園する子どもたちにも、こう呼びかけるつもりだ。