タウンニュース鎌倉編集室では、2017年の年頭にあたり恒例の市長インタビューを行った。このなかで松尾崇市長は、生活保護費の盗難事件をはじめ不祥事が相次いだことに触れ「意識、行動を変えて市民に信頼される市役所にしていく」と語ったほか、3年後に控える東京五輪に向けた準備について明らかにした。(聞き手は本紙編集長、井方照雄)
――昨年4月に市役所内で保管されていた生活保護費約265万円が盗まれていたという事実が発表されました。この事件のその後について教えて下さい。
「一昨年明らかになった白紙請求書の使用などを受けて設置された『不適切な事務処理に関する調査委員会』を活用し、この問題の検証を行ってきました。外部検証員として弁護士2名、県警元部長のお力も借りながら、職員へのヒアリングなどを終え、12月22日に市議会全員協議会に中間報告を出させていただきました。合わせて職員の処分を決定、私を含めた理事者の給与の減額を12月議会に提案しました」
――犯人は特定できたのでしょうか。
「結局、現在に至るまで犯人は特定できておらず、今後も警察の捜査に協力していきます。ただ犯人の特定と同様かそれ以上に重要なこととして、職員のずさんな事務処理や組織の悪い体質が調査で明るみになりましたので、市のコンプライアンスをもう一度やり直そうと、全庁的な取り組みを進めています。また今後は200万円以上のお金を誰が補償するのか、ということになりますが、地方自治法では出納責任者になっております。そのためには監査が必要ですので、結果が出て責任が固まったところで最終報告が出されます」
「五輪までに鎌倉駅前整備」
セーリング体験なども実施
――明らかになった組織の問題点と、改善のための取り組みを教えて下さい。
「他の部署で不祥事が起こっても、自分とは関係ないことだと捉えている職員が多い。すると意識も行動も全く変わらない。それの繰り返しだったという反省があります。今後のコンプライアンスの取り組みについては、指針を作って終わりではなく、市民の皆さんに本当に信頼される市役所になるために一人ひとりがどう行動したらいいか、を考えて、計画に落としていくところまでをきちんとやっていきます」
東京五輪への準備
――昨夏のリオ五輪・パラ五輪には鎌倉出身の方が4名出場して大変盛り上がりました。東京五輪では江の島でセーリング競技が開催されます。市としての取り組みを教えて下さい。
「まずは市役所にオリンピック・パラリンピック担当課を設置しました。隣の藤沢市で開催されるセーリング競技を子どもたちにも体験してもらって、競技についての理解を深めてもらうことを考えています。また様々な競技でプロ、アマチュアのトップ選手を鎌倉にお招きして、子どもたちに教えてもらうことをはじめ、東京五輪・パラ五輪の機運を市民に高める取り組みをしていきたいと思います。また、外国からの観光客が一層増えることが予想されますので、鎌倉の『顔』である鎌倉駅東口と西口の整備を五輪までに完了するように、取り組んでいきます」
岡本マンション計画跡地利用
――岡本二丁目のマンション計画跡地についてですが、周辺住民から要望の強かった階段市道の復旧は。
「11月25日に完了し、供用も開始しています」
――隣地との境界が定まっていないとの意見があります。跡地の利用計画に影響はありませんか。
「境界のことで市民から意見が出されています。市としてはしっかりと向き合っていき、市民の理解をいただく努力をしながら、事業としては着々と進めていきます」
――施設完成のめどは。
「子育て、教育に大きく寄与する施設を整備する予定ですので、できるだけ早くと考えておりますが、当初予定の19年度中は難しい状況です」
1月6日号に第2弾を掲載します。
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