北鎌倉つるし飾りのある街の実行委員長を務める 川上 靖治さん 山ノ内在住 80歳
「北鎌倉の魅力広めたい」
○…3月20日(月・祝)まで開催されている「北鎌倉つるし飾りのある街」の実行委員長を務める。人出が減る2月から3月にかけての北鎌倉を盛り上げようと2011年から始めたこのイベント。観光客や地元住民からも好評で、6回目を迎えた。今年はJR北鎌倉駅を中心に、寺社や美術館、店舗など100カ所に飾り付けがされている。「多くの人に来てもらえれば」と笑顔で語る。
○…東京生まれ東京育ちだが、北鎌倉との出会いは子どものころだったという。「実家の隣が円覚寺派のお寺だった。夏になると子供会の企画で鎌倉を訪れ、海水浴へ行き円覚寺に泊まりました」と懐かしそうに振り返る。大学卒業後は外車輸入販売会社で主にマーケティングに従事。40年ほど前、新聞広告で北鎌倉エリアの宅地が売りに出されているのを見て購入を決意した。「子どもの頃の思い出もあり、ずっと憧れていたので嬉しかった」という。
○…「会社人間にはなりたくなかった」と、移り住んでからは積極的に地域の活動に参加。穏やかな語り口と誠実な人柄で、気が付くとその中心に。地元の芸術家らと展示を企画したり、昨年まで開催されていた「匠の市」の実行委員長を務めるなど、様々な形で街づくりにかかわっている。昨年80歳を迎えたが、イベントを告知するためのチラシやマップはワードやエクセルを駆使して手作りする器用な一面も持つ。「皆でひとつの事を作り上げ、それを発展させていくのが街づくりの面白さ」とやりがいを語る。
○…今回の開催にあたって、飾りのある場所やイベントを紹介するガイドマップ作りを大学生の孫が手伝った。「若い人にも楽しみながら地域に関わってほしい」と願う。「ここは禅文化が導入され、後に鎌倉武士の精神文化の源になった場所。その歴史や魅力を多くの人に広めたい」と、これからも北鎌倉を盛り上げていくつもりだ。