鎌倉版 掲載号:2017年4月21日号
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絵本『茂さん―鎌倉長谷のむかしむかし』を出版する 加藤 茂雄さん 長谷在住 92歳

歴史語り継ぐ名俳優

 ○…自らが生まれ育った戦前の長谷を後世に伝えようと、絵本『茂さん―鎌倉長谷のむかしむかし』を制作している。5月末までの出版を目指して現在、仲間とともに原稿チェックや自費出版にかかる費用集めに奔走中だ。「長谷寺や大仏様の門前町として、そして漁師の街として栄えたかつての様子を多くの人に知ってほしい」と語る。

 ○…江戸時代から続く市内の網元「長四郎網」の分家に長男として生まれた。今の県道32号線、かつて「長谷新宿」と呼ばれた大通りで子ども時代を過ごし、小学5年生から本家の地引網を手伝うように。その後、15歳で石川島造船所航空機部へ就職し、1945年、旧陸軍に召集されるも15日後に終戦を迎えた。

 ○…転機は終戦間もない46年5月、材木座の光明寺で開校した「鎌倉アカデミア」に入学したことだった。「自由な雰囲気や教授と学生が作り出す熱気がすごかった」。演劇科の一期生として学び、その奥深さに魅了された。卒業後は東宝に入社し、「大部屋俳優」として数々の名作に出演。黒澤明監督の「七人の侍」では村人を演じ、3日間にわたって撮影された決闘シーンが特に印象に残っているという。「真冬に大雨を降らせながらの撮影だった。本当に死人が出そうな現場だったけど役者根性を鍛えてもらった」と振り返る。その後はテレビや舞台にも活躍の場を広げ、出演した作品は数えきれない。昨年末には声優に初挑戦したアニメ映画が公開されるなど、生涯現役を貫いている。

 ○…俳優業の傍ら、漁師でもあり続けた。15年ほど前に本家の先代が亡くなり、江戸時代から続く家業が途絶えそうになった時も、自身が漁業組合会員の籍を持ち続けた。5月初めには、10年来の念願である地引網復活が控えている。「生きていれば色んな人に会えるしやりたいことも出てくる。これからもどんなことがあるか楽しみだよ」。そう言って豪快に笑った。

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