円覚寺はこのほど、国宝にも指定されている舎利殿の防災設備の更新工事を完了した。新設備は1人でも扱える放水銃6機を備えるなど、より迅速な消火活動が可能に。4月13日には初の訓練も行われ、同寺の横田南嶺管長らが参加した。
訓練は舎利殿近くの用具置き場から出火した想定で行われた。出火を発見した修行僧が、観光客の避難誘導や消防署への通報、仏像などの運びだしを終えた後、舎利殿に向け放水した。
今回の防災設備の更新は、従来の設備が整備から50年近くが経過したことから実施されたもの。2015年4月に着工し、今年3月に竣工した。
新しい設備は舎利殿を囲むように6機の放水銃を備えたことが特徴。放水銃は1人でも操作が可能で、より迅速な消火活動が可能になった。また周辺の配管を改めて整備し300トンの水を貯めることができるタンクを設置。6機の放水銃全てを同時に稼働させても50分は放水できるという。
消防訓練には同寺の横田管長も参加し、自ら放水銃を手にする場面も。横田管長は「国宝である舎利殿を守り続けるために、設備を一新した。いざ、というときの備えができ一安心した」と語った。
円覚寺舎利殿は「佛牙舎利」という釈迦の歯が収められている木造の御堂。1951年に国宝に指定された。普段は非公開となっているが毎年2回、特別公開を行っている。
今年は5月3日から5日までと、11月3日から5日までが公開日となっている。時間は午前9時から午後4時まで。問合せは【電話】0467・22・0478へ。
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