長谷の古刹・光則寺では、毎月21日の朝、法華経を読む声が本堂に響き渡る。
これは同寺が開催している「お経の会」でのひとコマ。かつて鎌倉では、各地域に講中と呼ばれる信者の集まりがあり、定期的に家に集まってはお経を読んでいたという。
しかし戦後人々のつながりは希薄になり、1980年代になると多くの講中が解散していった。
そんなある日、檀家の女性が「最近お経を読む機会がないので練習したい」と相談してきたという。そこで30年ほど前、同寺が始めたのが、時間にして約1時間、信者でなくても自由に参加できる「お経の会」だった。開山・日朗上人の命日に合わせ毎月21日を、実施日とした(立正安国論進献式が行われる4月、施餓鬼法要が行われる8月は行われない)。
最初は数人だった参加者も徐々に増えていき、現在は毎回30人ほどが訪れる。当初から参加しているという手広在住の伊達昭二さん(90)は「お経を読んでいくうちに意味が自然と心に入ってくるようになり、信仰心も強くなった。会が終わった後にお茶やお菓子をいただきながら、皆さんとお話しできるのも楽しみです」と笑う。
同寺住職の横山仁雄さんは「かつてお寺は信仰だけでなく、娯楽の役割なども担いながら地域社会の中心的役割を果たしてきました。こうした会をきっかけに気軽にお寺に足を運んでもらえれば」と話している。
参加費は200円。時間は午前10時から約1時間。問い合わせは同寺【電話】0467・22・2077へ。
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