(公社)鎌倉法人会の会長に就任した 小野田 徹夫さん 常盤在住 72歳
企業と地域の活性化目指す
○…鎌倉市、逗子市、葉山町の約1500社が加入する鎌倉法人会の会長に、このほど就任した。同会では研修や講習を通じた正しい税知識の普及と経営者の育成に取り組むほか、親子向け映画会などの公益事業を実施している。「元気な会社が増えれば雇用や税収が増え、地域の活性化につながる。企業がきちんと利益を出し、新たな起業もしやすい環境作りを進めていきたい」と意気込む。
○…鎌倉で生まれ育った。両親は戦前から大船駅前で衣料品店を経営していたが「継ぐつもりはなかった」という。専門学校で経理を学び、サラリーマンになる予定だったが、父の病気もあり、店を手伝うことに。高度成長期で事業は順調だったが、スーパーマーケットの登場など時代の変化をいち早く感じ取った。「これからはサービス業」と30代で学習塾経営に乗り出すなど、時代に合わせて事業を広げてきた。
○…現在は障害者作業所や介護施設を運営する社会福祉法人の代表も務める。8年前に事業を引き継いだ際には赤字続きだったが、組織改革を進め鎌倉や相模原に20以上の事業所を展開するまでに成長させた。しかしこれまでの経営者人生が、全て順風満帆だったわけではない。「学習塾事業を整理することになったり、苦しい時ばかりだった。でも社長が青い顔をしていたら、従業員はついてこない。どんな時でも『なんとかなる』と考えて人の3倍働いてきた」と振り返る。
○…法人会では20代から青年部で活躍し、青年会議所の理事長を経験するなど、早くから地域活動に取り組んできた。「法人会の理事は昔からの仲間ばかり。意見がぶつかることはあっても最後はサポートしてくれる。心強いですね」と笑う。「多くの先輩たちにかわいがってもらってここまで来ることができた。今度は自分がその役割を果たしたい」。経験を後進に還元し、愛する鎌倉を元気にすることが今後の目標だ。