最新号:2012年2月 3日号
2010年8月20日号
○…「少しでも世の中の役に立ちたい」と支部の立ち上げから会長を務めている。矢車草の会は障害者・高齢者施設などに足を運び、車椅子使用者と気軽にダンスを楽しむボランティア団体。ブルース、ワルツなど曲目は様々。手を取り、相手の体調を考慮しながら、リズム・スピードに変化をつける。「私たちが行くと立ち上がって踊ってくれる人もいるんです」
○…結婚してから体調を崩す日々が続き、入退院を繰り返していた。発足してからも、10年のうち2年間は心臓の病気を患い、会長職を退いている。一度は活動を辞めようと思った時期もある。だが、その気持ちを引き止めたのは施設の人たちだった。言葉の不自由な障害者でも「一緒に踊る?」と聞けば、笑顔でうなずく。「今日、御飯ちゃんと食べた?」とダンスの合間にする何気ない会話。終わった後も別れ惜しく手を離さない人や、嬉しくて涙する人もいる。そんな喜ぶ姿を何人も見て「こういう人たちのためにも続けていきたい」と決心した。
○…「お花や編み物など何をやっても長続きしなかったけど、ダンスだけは続いているんですよ」。現在は夫とふたり暮らしで、互いの趣味が社交ダンス。「もうあなたとは踊らない」とケンカをしても後日パーティーがあると自然と2人で足を運んでいる。「けろっと忘れちゃう。何なんでしょうね」。仲の良さが窺える。
○…車椅子の人との社交ダンスは中腰で踊るため、体力的にきつい。それが理由で辞めていく人もいる。だが、そのほとんどは「違う形で支援したい」と賛助会員になって活動を支えている。8月29日(日)に10周年を記念したチャリティー・ダンスパーティーを市役所分庁舎で開催。「支えてくれた人や一般の方も呼び、健常者も含めて垣根をこえた交流をしてほしい」。矢車草の会の魅力は「楽しませる」のではなく、喜びを分かち合い「一緒に楽しめる」ことなのだという。