第5回「西久保」 茅ヶ崎の轍(わだち) 協力/茅ヶ崎市文化資料館
江戸時代の西久保は、北は香川、大曲(寒川町)、西は萩園、南は円蔵、浜之郷の村々と接していました。人家は、妙運寺や鎮守の日吉神社そばを南下する旧道に沿って在りました。またその西側に、小出川に沿って水田が広がっていました。
「新編相模国風土記稿」に「円蔵村枝郷、古くは本社村と記す」という記述があります。時期は不明ですが、円蔵村から分かれた地域であることが分かります。
宝生寺の本尊は、江戸時代中ごろに作られたといわれる大日如来像ですが、別棟に国の重要文化財指定を受けている阿弥陀三尊の立像が祀られています。これは鎌倉時代の金銅仏といわれ、市内で最古の仏像です。
「皇国地誌」には、「地味は大変良く作物に適しているが、水が不足しやすく、小出川に近い田は水害にもあいやすい」とあります。小出川から田に用水を上げるため、以前、大曲橋のそばに堰が設けてありました。
また、西久保は有名な昔話「かっぱどっくり」の発祥の地です。昔話の主人公・五郎兵衛さんの墓石があったと伝えられていますが、所在は分かりません。
【参考文献/茅ヶ崎市史1】
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