9月8日から茅ヶ崎市美術館で展覧会を行う 原 良介さん 東海岸北在住 36歳
想像力を育む画家
○…茅ヶ崎市内で展覧会を行うのは、今回が初めて。「自分の足元を見つめるきっかけになると思う。この地域に住んでいるという事が作品にも出るんじゃないかな」。展覧会のために描き上げた17作品のうちの1つ「by a forest」。木々が茂る森の中で、同一人物と思える3人の女性が歩いている。「同じ場所、同じ瞬間に同じ人が3人いるなんて、絵画の中でしか成立しない。そういう違和感をテーマにした作品です」。この他にも、月が3つ登場する「three moons」など、独特の世界観を絵画で表す。
○…油絵は通常、何色かの色を重ねていくことが多いが、色を重ねずに一層ごとに描く技法が作品の特徴。画家の道を意識し始めたのは小学生の頃。「絵が好きだったから、ずっと描きたいなって」。漠然とした思いは、中学、高校と進学するにつれ具体化。多摩美術大学を卒業すると、同大学院に。大学院で現代美術について学んだことで、現在のスタイル「一層描き」に行き着いたという。
○…画家人生の分岐点は2001年、公募展でグランプリを受賞したこと。それ以来、年に1〜2回定期的に展覧会を行っている。絵を描く上で意識していることは「分かり易い絵をかくこと」と、「見る人の想像力を膨らませること」。「人の価値観を大きく変えるのは難しいけれど、その小さなきっかけになれば。それが美術家の仕事だと思うし、今回もそういう仕事がしたいですね」
○…作品の原点は、小学生の頃に観た「風の谷のナウシカ」。何度も繰り返し観ている思い入れのあるアニメ作品だ。この物語をきっかけに自然に興味を持ち始め、両親の影響もあってか、山登りやロッククライミングも始めた。ほとんどの作品には、「人」や「自然」が登場する。「展覧会の準備で、今年は全然山に行けてないんです。落ち着いたらまた行かないと」清々しい笑顔で話した。
|
<PR>