神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
茅ヶ崎版 公開:2012年12月21日 エリアトップへ

邦画の魅力を後世に 映画監督 大嶺(おおみね)俊順(としのぶ)さん

文化

公開:2012年12月21日

  • X
  • LINE
  • hatena
大嶺俊順監督/助監督作品に「男はつらいよ」「馬鹿シリーズ」「砂の器」など。監督作品に「社長さん」、「俺は上野のプレスリー」などがある。
大嶺俊順監督/助監督作品に「男はつらいよ」「馬鹿シリーズ」「砂の器」など。監督作品に「社長さん」、「俺は上野のプレスリー」などがある。

 映画上映会「文化に触れる『男はつらいよ第1作』誕生物語」が1月13日(日)、茅ヶ崎市役所分庁舎6階コミュニティホールで開催される。イベントで「男はつらいよ」の舞台裏を語る大嶺俊順監督(78)=富士見町在住=に往年の日本映画の魅力について話を聞いた。

      ◇

 大嶺監督は、「男はつらいよ」をはじめ50本以上の映画の助監督や監督、脚本、を手掛けてきた。

 演劇の世界に飛び込んだのは早稲田大学在学中。学生劇団「自由舞台」に入団し、演出を務めた。1960年、早稲田大学を卒業。タイミング良く松竹の大船撮影所で「助監督」の募集を見つけて応募。15人の採用枠に1500人の応募があったが、難関を勝ち抜き「演出助手室」に入所した。

 2000年に同撮影所が閉鎖するまでの40年間、小津安二郎監督や山田洋次監督など、映画界の重鎮と共に作品づくりに力を注いだ。

映画づくりの面白さ

 「就職した当時は映画くらいしか娯楽がなかった時代。観客数も今より多くてね」と振り返る。最盛期には、観客数が年間11億人以上にのぼり、当時の人口で割ると一人当たり年12回強、映画館に足を運んでいたことに。「映画館で立ち見は当たり前だったんだよ」

 印象深い作品の一つが「寅さん」。テレビドラマの最終回で「寅さんはハブに噛まれて死にました」そんな展開に抗議が殺到し、映画化されることになったとか。作品づくりのおもしろい裏話が次々上がる。

 誰もが憧れる映画界。しかし「現実は思い描いていた世界とは全く違った。ただただ、忙しい。幼い娘に『パパ、また来てね』なんて言われてね」。それでも、映画から離れられなかった。

 その理由の一つは「封切の瞬間」。一般公開の初日、観客と一緒に映画館で自分の手掛けた作品を観る。「お客さんの溜息や笑い声、反応がダイレクトに伝わる」。時には「つまらん」と、席を立つ人もいた。「あれは、とても言葉にならない」

語り継ぐ邦画

 当時の松竹映画の魅力を聞くと、「人が苦労して生きていく姿を描いていることかな」。そして、「フィルムの良さ」も。フィルムは、画面の一点にピントが絞られ、「監督が何を撮りたいのか」が明確に表現できるという。また、簡単に撮り直し出来ない「緊張感」も魅力の一つだ。

 「映画の魅力を語り継いでいこう」と現在、定期的に市立図書館で開催される「湘南映画上映会」に参加。毎回、大船撮影所の仲間をゲストに招き、撮影の裏話を披露している。「来年もできる限り頑張るよ」

 また、同時進行でドキュメンタリー作品を製作中。一生現役を貫く「湘南の映画人」だ。
 

定期的に開催されている「湘南映画上映会」
定期的に開催されている「湘南映画上映会」

茅ヶ崎版のローカルニュース最新6

5日に無料ビーチライブ

PEACEFULEASY FEELING

5日に無料ビーチライブ

豪華アーティストが出演

4月25日

バロック室内楽を楽しむ

バロック室内楽を楽しむ

くすやまホールで5月11、12日

4月24日

多才な開高健に迫る

多才な開高健に迫る

4月27日から企画展

4月23日

玉泉水墨画会展

玉泉水墨画会展

5月8日から文化会館

4月22日

「本当の価値」提供したい

「本当の価値」提供したい

株式会社グローブ企画中川信義さん(54)

4月19日

21日午後から交通規制

<PR>

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 3月1日0:00更新

  • 11月17日0:00更新

  • 11月10日0:00更新

茅ヶ崎版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

茅ヶ崎版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月25日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook