大歓声に包まれる横浜スタジアム。試合日の早朝、今季から横浜DeNAベイスターズの打撃投手を務める古村徹さんの姿があった。
出身の茅ケ崎西浜高時代は2年生からエースとして頭角を現し、最後の夏も強豪・桐蔭学園高に敗れはしたがその手腕とマウンド度胸を買われ、ドラフト8巡目で夢に見たプロの世界へ。一軍での初登板、そして初勝利の瞬間が待たれたが度重なるケガに悩まされ、一時は投げることすらできずにいた若き左腕は昨年、戦力外通告を受け、チームの打撃投手として第二の人生を歩み始めた。「未練がないといったら嘘になります。当時十分な準備をしても悲鳴をあげていた肩は、今なら問題なく投げられるので」と話す一方、「現役で叶わなかった優勝に向け全力でサポートしたい」と前を向く。
チームスタッフの朝は早い。デーゲームの場合、午前9時頃から全体練習が始まるが古村さんはその2時間程前から球場に。練習のサポート以外に用具の準備、片付けはもちろん、試合のスコア付けの補助など職務は多岐にわたる。「選手によってトスを上げる位置も違いますし、その日の調子で要望されるコースも変わる。それを頭に入れることも仕事」と現役時代同様、思考錯誤を重ねている。
茅ヶ崎出身の倉本寿彦選手は古村さんのサポートで打撃練習をしてから試合に臨むことが日課。倉本選手は「地元も近いので弟のような存在」と信頼を寄せる。
「昨年までは投げられない自分との葛藤がありましたが今はチームのためできることを考えて一日一日を過ごし、それが勝ちにつながることがうれしい」。時折見せる”古村スマイル”の向こうに歓喜の瞬間が待っているはずだ。
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