茅ヶ崎の轍(わだち) 第38回 道編 「東海道沿いの伝説」協力/茅ヶ崎市文化資料館
東海道沿いには、数多くの伝説があります。
「車地蔵」
昔、本村のおかねという娘がある若者と愛し合っていました。しかし若者が心変わりをして他の娘と一緒になってしまいました。おかねは若者の家を放火し、火あぶりの重罪となりました。それから夜になると、村中に車を引くような「ギー、ギー」という叫び声が響きました。これは「おかねの霊が迷っているからだ」とされ、「車地蔵」を作り供養しました。すると不思議な叫び声はなくなったそうです。車地蔵は、海前寺の墓地に祀ってあります。
「晴明井戸」
鳥井戸橋と下町屋橋の間にある神明神社に、平安時代の陰陽師・安倍晴明が掘ったといわれる井戸「晴明井戸」がありました。井戸は昭和10年代初めに拡張した国道に取り込まれ、今は残っていません。
「何どき橋」
産業道路の交差点辺りに橋がありました。夜中、橋の下からぼんやりと女性が現れ「今、何どきですか…」と聞くのだそうです。恐ろしくてもそのまま時刻を答えれば何事もなく、答えず慌てて逃げ出すと必ず災難が降り掛かったと伝えられています。
【参考文献/茅ヶ崎市史】
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