茅ヶ崎市と寒川町で回収したごみや資源物を処理する茅ヶ崎市環境事業センター(市内萩園)敷地内に「リサイクル品展示室」がある。ここでは19年前から、回収した家具などの大型ごみの中から再利用できるものを修復し月1回、希望する市民に無償で提供している。年間約2000人が利用するこの展示室の運営について現在、広域利用や有償化が検討されている。
同センターが2014年度に回収した大型ごみは3万9865個、重さにして約615トン。このうち修復すれば再利用できるイスやテーブル、収納家具などが同展示室の作業場に運び込まれ、職員の手でリサイクル品としてよみがえっている。
リサイクル品展示室は、最終処分率の減少や循環型社会の構築を目的に1996年にオープンした。展示室では1月を除く毎月1日から7日に期間を設け、毎回35点のリサイクル品を展示。来場者の申込みを1人2品まで受け付けて、抽選で譲渡先を決めている。来場者数の平均は月190人ほど。人気の品は当選倍率が20〜30倍になることもあり、毎回ほぼ全ての展示品に引き取り手がつくという。
職員の手で再生
「最高で当選倍率72倍になった品もある」と話すのは同センター非常勤嘱託職員の清水貢さん(74)。展示室の専任として14年間、再利用可能な大型ごみの修復作業に中心となって取り組んできた。
運び込まれた家具類の中から使える部品を抜き出し、裁断や塗装、コーティングなど加工処理を施して他の家具と組み合わせる。ほぼ独学で修復してきたが、相談を受けて子ども神輿を補修したこともあるという。リサイクル品は展示室だけでなく、ちがさき環境フェアなどのイベントにも出品され、希望者の手にわたる。「当選者が笑顔で持ち帰る姿を見るのがうれしい」と清水さん。
有償化・広域化を検討
展示室の片隅に募金箱がある。来場者の寄付で年間6万円ほどが集まり、ごみ減量化・資源化基金に積み立てられて焼却施設や大型ごみ処理施設の修復などに充てられている。展示室唯一の外部収入だ。
リサイクル品の無償提供を行っている自治体は、県内でも少数。多くの市町では有償か一部無償で提供している。他市町と足並みを揃えるため、同センターでは数年前から無償提供の見直し(有償化)を検討してきた。「自主財源の確保というのもありますが、公費で運営しているので受益者負担の公正化が主な理由です」と説明する。
また展示室の広域化(寒川町との共同運営)も検討している。ごみ処理の広域化で今年度から寒川町の燃せないごみの受け入れを始めたことを受け、寒川町民にも展示室利用の門戸を開くことが目的。同センターでは「より多くの人に利用して頂き、まだ使える家具がたくさんあることや物を大切にする気持ちを共有してもらい、循環型社会を促進していきたい」と話す。
見直し案は2016年4月1日からの実施を目途に検討が進められている。
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