美術館連絡協議会(美連協)が3月1日に発表した「2015年美連協大賞・奨励賞他各賞」で、茅ヶ崎市美術館の企画展が奨励賞に選ばれた。
美連協は全国の公立美術館が互いに協力しながら活動を活発化させることを目的に設立。2007年の設立25周年を記念して設けられたこれらの賞は、毎年各地で開催される展覧会の中から大賞1館、奨励賞3館が選出される。茅ヶ崎市美術館の受賞は今回が初めて。
今回奨励賞に選ばれたのは2015年9月から11月にかけて開催した「棟方志功 萬鉄五郎に首ったけ」。萬鉄五郎生誕130年と棟方志功没後40年を記念した企画展だ。
企画を担当したのは同館学芸員の月本寿彦さん=人物風土記で紹介。
晩年を茅ヶ崎で過ごした画家・萬鉄五郎と、萬の作品を「首ったけ」とあらわし、萬の自画像を所有するほど心酔していた日本を代表する版画家・棟方志功。生前出会うことのなかった2人の共通項を「作品を通じて見出せるのではないか」と作品を対比し、両者の画業を顕彰する展示に作り上げた。
鎌倉の「棟方板画美術館」閉館に伴い、所蔵していた萬の自画像を「萬鉄五郎記念美術館(岩手県)」に返還する話が持ち上がったのが企画展のきっかけに。棟方美術館の元学芸員で棟方の孫である石井頼子さんと、萬美術館の学芸員である平澤広さんとの間で「2人はつながっている」と意見が一致。さらに茅ヶ崎と鎌倉という湘南地区においてもゆかりのある2人の関係性に焦点を当てた。同企画展は巡回展として萬美術館でも開催され、同様に奨励賞に選ばれた。
月本さんは「素直にうれしい。一人の若者が尊敬すべき画家の作品に触れたことで偉大な版画家に成長する展開を紹介できた。芸術の魅力と可能性を示す点で多くの共感を得られたのでは。当館歴代2位の入場者数を記録するほど多くの方にお越し頂けたことにも感謝したい。これからも皆様に楽しんでもらえる企画を作りたい」と話した。
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