生まれ育った茅ヶ崎の写真を撮り続けて半世紀。「熱血カメラマン」の愛称で知られる高橋昭和さん(76歳・円蔵在住)が、このほど自身初の写真集「茅ヶ崎物語」(講談社エディトリアル刊)を発行した。
「茅ヶ崎物語」はA5判カラー刷りで167頁。市内で撮影した自然、街、人、動物、祭りなどの写真210点を高橋さんの解説付きで掲載している。全国の書店とアマゾンなどのネット販売で2300円(税別)。
茅ヶ崎一筋
高校生の頃から写真を撮り始めた高橋さんは、茅ヶ崎市役所を定年退職後の2001年にホームページ「茅ヶ崎熱血情報」を立ち上げ、日々撮影した市内の風景写真を一日も欠かさず掲載し続けた。国内外から反響があり、連続撮影日数が4000日を超えた12年には市から特別表彰も受けた。「茅ヶ崎には、毎日撮っても撮りつくせない魅力がある」
毎朝3時頃に家を出て、自転車で柳島から浜須賀まで浜辺を移動しながら風景をチェックするのが日課。「これは」という光景に出会うとレンズを向けて、じっと思い通りの絵が現れるのを待つ。「夜中に蝉の羽化を撮るために木に登り、朝まで居続けたこともある。5、6時間なんてあっという間」と笑い飛ばす。「その一瞬」を逃さないため、レンズの異なる3台のカメラを持ち歩き、1日に800枚を撮影。夢中なため、これまでカメラの重さを感じたことはなかったという。
本作りに全力
茅ヶ崎にこだわり写真を撮り続ける高橋さんに、出版社側が写真集を出さないかと提案してきたのが2015年の春。話を受けた高橋さんは、8月から掲載する写真選びと写真に添える文章づくりに着手した。
ホームページ公開以降に撮りためた30万枚もの写真の中からとっておきを選別する作業。撮影にも出かけず、来る日もパソコンに向かい1枚ずつ確認する作業に没頭した。半年が経ち、出版社との打ち合わせを終えた頃にはほとんど足腰が立たなくなっていた。「ほぼ寝たきり。カメラを重いと思ったのも初めてだった」
念願の写真集が届き、体調も少しずつ戻ってきた。「見た人にあっと言わせたいと作った一冊。住んでいても知らないような茅ヶ崎の美しさ、素晴らしさを知ってほしい。まず体力を取り戻して撮影とホームページの更新に戻りたい」――。多くのファンが「熱血」の復活を待ち望んでいる。
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