東京都の墨田区総合体育館で11月10日に開催された「第5回スポーツ吹き矢全日本選手権大会」で、神奈川県スポーツ吹き矢協会茅ヶ崎エボシ支部の坂口和代さん(54・松浪在住)が個人戦女子の部・10mで初優勝した。
坂口さんは、今年9月に埼玉県で行われた関東オープン大会でも同部門で優勝している。全日本選手権大会には第1回から出場しているが、これまでの最高順位は12位だった。
大会当日は体調を崩していたものの「却って緊張せずにいられた」という。215人が出場した予選を得点1位で通過し、上位5人で競う決勝戦に進んだ。意識していたのは「平常心を保ち、毎回同じように吹く」こと。少しでも邪念が入ったり、集中力に欠けると上手く的に当たらない。決勝では的の得点で2位の選手に並ばれたものの、型を評価する「基本動作」の点数で上回り、初めての優勝を勝ち取った。
トロフィーを手にした坂口さんは「優勝できると思っていなかったので本当に驚いた。これも当日に体調を気遣ってくれたり、緊張を解いてくれた支部の皆さんのおかげ」と周囲への感謝を口にした。
自分と向き合う時間
スポーツ吹き矢は、円形の的をめがけて息を使って矢を放ち、当たった場所の得点を競うスポーツ。1998年に日本で生まれ、年齢差や男女差のない手軽な競技として中高年を中心に全国に普及した。茅ヶ崎では2003年に最初の支部が発足し、現在では市内で9支部が活動している。
坂口さんは入会9年目。たまたま見ていたテレビ番組で紹介していたスポーツ吹き矢に興味を持ち、市内で開かれていた体験会に参加したことがきっかけとなった。当初は「的の中心に当たった時の爽快感と、矢を吹く際の腹式呼吸が健康に良さそう」と練習に参加していたが、やがてそれが「自分と向き合う貴重な時間」に変わっていったという。
練習は週2、3回、公共施設などを使った練習会に参加している。メンバーには、全日本選手権大会の男子の部・10mで2014年に優勝した市川英夫さん(湘南茅ヶ崎支部長)や15年優勝の土屋洋文さん(湘南赤松支部長)もいる。2人は口をそろえて「坂口さんは練習熱心。コツをつかむのも早かった」と評す。
坂口さんは「良い呼吸や姿勢といった自分が納得できる形がまだ見えていない。もっと練習が必要」と自身を分析しながら「スポーツ吹き矢は、体調や心の状態など自分を見つめなおす大切な時間であるとともに、楽しくて、色々な人との出会いをもたらしてくれたスポーツ。これからもそれらを楽しみに続けていきたい」と今後の意欲を語った。
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