ビブリオバトル普及委員として本の魅力を伝える 滝 直哉さん 東海岸南在住 53歳
永遠のSF少年
○…発表者が面白いと思う本を語り、投票で最多得票の「チャンプ本」を決める知的書評合戦「ビブリオバトル」。本の魅力を伝える「戦い」を広める「普及委員会」の一員として「皆が興味を持つ本選びが大事。それを言葉にするのは難しく、反対に聞く側も新たな本と出会えるのが醍醐味」と目を細める。
○…香川県出身。海と山に囲まれ少年時代を過ごした。時代は特撮やアニメなどSFブーム。「SF全集や科学雑誌に夢中だった。先生には『もっとためになる本を読め』と言われていた」。機械も好きで、壊れた家電を分解しては部品を取り出し工作を楽しむ機械少年の一面も持っていた。「SFは科学と論理が基本。それを組み上げるのが楽しい。例えばガンダムがなぜあるのか。それにはミノフスキー粒子の存在理由が必要になる。ファンタジーには『なぜ?』という理由が不要な点が大きく違う」と熱弁をふるう。その後もSF好きは続き、会社勤めの傍ら2012年に仲間と「SF文学振興会」を立ち上げた。
○…SFを広めようとイベントに参加したり自ら企画したりと積極的に活動を展開。2012年に夕張市で行われたSFイベントに参加した際、子どもたちの姿が少ないことに危機感を覚え「子どもたちにもっとSFの魅力を伝えたい。まずは読んでもらわないと」とSF本を購入し、夕張市内の図書館に寄贈した。「面白さを知ってもらうには語り伝える必要がある」とビブリオバトルに行き着いた。
○…妻と子ども2人の4人家族。「海の近くに」と茅ヶ崎に移住した。探究心旺盛で「理屈っぽいところがある。ニュースも『何か抜けてないか』まず疑う」と苦笑い。「茅ヶ崎発で、県西にバトルを広めたい。いつもどこかで開催されているようになれば。本は初対面の人とも会話が弾み、すぐに親しくなれるのが魅力。ただ本代がかさむけど」。永遠のSF少年の想いは無限大だ。
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