30年以上続けた健康体操教室の講師を引退する 斉藤 孝子さん 高田在住 85歳
みんなで楽しく健康に
○…松林公民館を中心に30年以上続けてきた健康体操教室の講師を3月いっぱいで引退する。5年前に腰を痛めてから杖が手放せなくなったが、教室では椅子に座って指導を続けた。近年、体力の低下を感じてすっぱりと引退を決意。「夫が亡くなった時以外、一度も教室をお休みしたことはなかったの」と少し誇らしげに話す、チャーミングな笑顔が印象的だ。
○…横浜市出身。日本舞踊やダンスが好きで、高校に進学すると自ら体操部を作った。当時は戦後間もない頃で高校に体育館がなく、練習は屋外で裸足。それでも「勉強もしないで毎日体操漬け」の日々を送った。熱意が実り、3年生の時には関東代表として国体に出場。「会場(福岡県)まで電車で2日かかったのよ」と目を細め懐かしむ。卒業後は英文タイピストとして省庁や銀行に勤め、結婚を機に退職。夫の転勤で米国サンフランシスコに6年間暮らした。帰国後は横浜市平沼記念体育館の館長に勧められ、スポーツ指導員の資格を取得。同館で健康体操の指導を始めた。
○…1971年に茅ヶ崎へ。当時開発されたばかりの高田ニュータウンの雰囲気が気に入った。ほどなく松林公民館が開館し「松林健康体操教室」を開講すると主婦層を中心に人気に。これまでに150人以上が参加し、開講時から通い続けている人も少なくない。「生徒さんはみんないい人ばかり。顔を合わせておしゃべりするのも楽しみだから長く続いているの」
○…長年地域の健康増進に寄与してきたことが評価され、日本体育協会や県スポーツ協会から表彰もされた。引退を惜しむ声も多いが「今後は新しい指導者のやり方にお任せしたい」とこだわらない。ただ指導メニューが詰まったCDやテープは残していくという。今の楽しみは3年後の東京五輪。「前回は(渡米中で)見られなかったから。それまで元気でいないとね」と意欲はまだまだ健在だ。
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