5月28日(日)に茅ヶ崎市体育館で開催される「全日本プロレスチャリティー茅ヶ崎大会」。大会PR大使「茅ヶ崎仮面」のマスクを手掛けたコスチューム職人・小栗修さん(46)=菱沼在住=の約30年にわたる衣装制作に込めた想いを取材した。
身長183cm、プロレスラーさながらの体格に繊細な技が光る職人・小栗さんは、自宅そばに仕事場を構えるコスチュームメーカー「KONDOU SHOES」を一人で切り盛りしている。これまで国内外500人以上のプロレスラーのマスクやガウン、靴などを手掛け、「全日本」「新日本」など大手プロレス団体では約8割のシェアを占めるという。タイガーマスクの覆面やジャイアント馬場の靴のほか、近年ではAKB48が出演するドラマのプロレス衣装やレイザーラモンHGなどのお笑い芸人の衣装も制作してきた。
コスチュームは一点一点小栗さんの手作り。伸縮性や耐久性が求められるのはもちろん、レスラーを観客に印象付ける「魅せる衣装」を心掛け、新しい生地を求めて韓国などへ買い付けに行くこともしばしば。衣装の色合わせにも余念がなく、足繁く試合会場に通ってリング上でスポットライトが当たった時の衣装の見え方を確認している。
プロレスラーから「巡業先でコスチュームが破れてしまった」と連絡が入ると、翌日には新品を送り届けるなどアフターケアも怠らない。「プロレスの試合では相手の技を避けないで受ける。仕事もプロレスも何より信頼関係が大事。自分は相手の期待以上のコスチュームを作ることで信頼を深めてきた」と笑顔で語る。
道を決定付けた故・三沢氏の一言
茅ヶ崎に生まれ育った小栗さんは幼い頃、プロレス好きの祖母と一緒にテレビで試合を観たことから、その魅力にはまっていった。憧れの初代タイガーマスクの覆面を両親にねだって手に入れると、「次は自分で作ってみたい」と思い立った。小和田小5年生の頃には、既製品のマスクの糸をほどき型を確かめ、自分のジャージなどの布を生地にし、母親のミシンを借りて、見よう見まねで手作りのマスクを仕上げた。
赤羽根中・鶴嶺高校時代ではバレーボール部の練習に励みながらも独学で制作を続けた。転機が訪れたのは高校2年生になる頃。地元で行われた2代目タイガーマスク(故・三沢光晴氏)の撮影会に足を運び、自作のマスクを憧れの三沢さんに直接手渡すと「俺にも作ってくれよ」の一言。職人への道を決定づけた言葉だった。以降、三沢さんの”最期”となる2009年までの20年間、コスチュームを提供し続けた。
”メイドイン茅ヶ崎”これからも
「プロレスは義理と人情。そんな世界が好きなんだ」。職人になる夢を叶えた小栗さんは「お世話になったプロレスと茅ヶ崎に今度は自分が恩返しする番」と話す。
大会PR大使の茅ヶ崎仮面のマスクには市の市章や湘南の海、えぼし岩などがあしらわれ、小栗さんの地元への愛が溢れている。「チャリティー大会は、多くの人に試合を楽しんでもらいたい。これからも地元とプロレス界を盛り上げながら、”メイドイン茅ヶ崎”のコスチュームを作り続けていく」と力強く語った。
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