昨年中の自転車交通事故が多発した地域として、茅ヶ崎市が5月1日付で自転車交通事故多発地域に指定された。13年連続の指定。前年より全体の事故件数は減少したものの、自転車交通事故の割合が県平均を上回った。
指定は、自転車交通事故の減少を目的に、2004年から神奈川県交通安全対策協議会が毎年実施しているもの。地域内で発生した交通事故のうち、自転車交通事故の割合が県平均より3ポイント以上のもの、または自転車交通事故による死者数が2人以上の県内市区町村が対象。指定された地域は交通安全対策の強化が行われる。
昨年の神奈川県の交通事故全体数は2万7091件で、このうち自転車事故の件数は5888件と21・7%を占めた。茅ヶ崎市では全体数514件のうち151件が自転車事故で29・4%になった。
負傷者と発生件数は減少
茅ヶ崎市内で発生した2016年中の全事故の負傷者数は588人、死者数は1人。このうち自転車事故での死亡事故は0件、負傷者数は153人で、全事故の26%を占めた。
前年と比較すると、自転車事故の件数は9件減少、負傷者も9人減少している。茅ケ崎署は「少しずつではあるが、市民の方の安全意識が向上しているのでは」と話す。
細い市道目視を大切に
茅ケ崎署によると、市内の事故の特徴は「どの地域もまんべんなく事故が発生している。言い換えれば、どこでも事故が起きる可能性がある」点だという。
茅ヶ崎市の地域的特徴を同署は、「市内全体で古くからの車線がない細い市道が入り組んでおり、見通しの悪い交差点が多い点」と指摘する。自転車事故のうち、市道など狭い道路の事故は約66%、交差点周辺は約74%になる。「停止線で止まっても、相手や自分が死角に入りこみ、姿が見えていない場合もある。自転車や車は特に、ミラーでの確認だけなく、目視を必ずしてほしい」と同署。
また、特に自宅周辺の市道では「道への慣れ」から生じる油断が原因の飛び出しが起きやすいという。「高齢者の方は特にその傾向が目立つ。自分は大丈夫という方も今一度確認し、周囲ともルールを共有してほしい」と呼びかけている。
「7歳の飛び出し」
神奈川県警察によると、「交通事故で最も危ないのは7歳の飛び出し」だという。県内で発生した12年から16年までの交通事故のうち、歩行中に交通事故で死傷した人の年齢は、小学1、2年生の7歳が最多。その数は約800件と、他の年齢の2倍に上る。
その原因の半分以上が飛び出しによるもの。茅ヶ崎市内でも、自転車の7歳の飛び出しは少なくない。茅ケ崎署は「親の後ろについて飛び出していってしまうパターンもある。また、子どもの視野の広さは大人の半分と言われている。事故後の聞き取りでも、『まさかという所で飛び出してきた』ということが多い」と分析している。
「自転車やドライバーは子どもの姿が見えたら気にかけてほしい。事故が起き後悔してからでは遅い。それぞれが1歩先に起こりうる未来として捉え、安全意識の高いまちづくりに結び付けたい」と話した。
茅ヶ崎版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>