今年1月に100歳で亡くなった、市内矢畑の齋藤武久さんが手掛けた作品の展示会「おじいちゃんの手はまほうの手〜木工細工で語る絵本の世界〜」が7月7日(金)から9日(日)まで茅ヶ崎市民ギャラリーで開催。午前10時から午後5時まで。
生前、『14ひきのねずみシリーズ』や『ぐりとぐら』など絵本や童話をテーマにした木工細工を手掛けていた武久さん。その作品は「可愛らしく、観た人が思わず笑顔になる」と話題になり、市内外の図書館や公民館、小学校などから声が掛かり様々な場所で展示された。
作品展を通じて多くの人と出会えることを楽しみにしていた武久さん。「長生きして良かったな」と自身の活力になっていたという。
武久さんの死後、同居していた娘の民子さんと孫娘2人が「おじいちゃんにこれまで関わって下さった人たちに感謝を込めて、作品を観てもらえる機会を作りたい」と今回の作品展を企画した。
「喜ぶ人がいる限り」
「命ある限り、喜んでくれる人がいる限り作り続けていきたいね」―。100歳を迎えてなお、創作意欲が衰えることがなかった武久さん。その言葉通り、旅立つ10日ほど前まで手を休めることなく、作品を生み出し続けた。
自宅には100点ほどの作品とともに、作りかけの「ぐりとぐら」をモチーフにした作品の土台が残されている。娘の民子さんは「作品を欲しいと言って下さる方にプレゼントするために作っていた物。最期まで人を喜ばせようとしていたみたい」と振り返る。
武久さんが木工細工を作り始めたのは90歳の頃。最愛の妻を亡くした喪失感の中、民子さんに「何か打ち込めるものを」と勧められたのがきっかけだ。77歳まで一筋だった車の部品加工の鉄工仕事で培った手先の器用さを生かし、慣れ親しんだヤスリやドリル、彫刻刀で、”小さな絵本の世界”を創作。愛犬の柴犬・モモとの散歩中に収集した木の枝や譲り受けた木材を材料にしていた。作品数が増えてきたことを受け、2012年に市内で初めての展示会を開くと評判を呼び、様々な場所で展示を実施することに。
手掛けた作品数は600点近くに上る。その内476個は、ひ孫や知人の子どもなどにプレゼントした。
民子さんは「(武久さんは)我が家の普通のおじいちゃんだけど、最期まで元気で目標を持ち続けていた。素敵な生き方だと思う。多くの方に足を運んでもらえたら」と微笑んだ。作品展には約100点が並び、読み聞かせも予定。問い合わせは齋藤民子さん【携帯電話】090・2558・5142へ。
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