茅ヶ崎版 掲載号:2017年7月14日号
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西久保の地下道に完成した落書き防止アートに、民話「河童徳利」のモチーフを描いた佐々木 貴行さん松浪在住 40歳

安らぎ生み出す”創作少年”

 ○…温かみのある動物や人物を描く絵本作家。このほど壁にアートペイントを施すことで落書き防止を図る、茅ヶ崎市とNPO法人湘南スタイルの協働事業の一環で、地下道の壁に民話「河童徳利」に登場する河童や五郎兵衛を描いた。はじめは「キャラクターを描ける人」として声が掛かったが、偶然にも、過去に商店会らが作成した「河童徳利の冊子」のイラストを担当したことがあり「縁ある話が舞い込んで驚いた。ここまで大きな作品は初めてだが、喜んで引き受けた」

 ○…「河童」は創作活動の根底にあるモチーフ。東京工芸大3年時、オリジナルの絵のスタイルを確立させようと必死な中で、幼い頃から好きだった「水辺の世界」と「怪獣」を組み合わせ「河童」のイメージに辿り着いた。「本を調べ、伝説が伝わる場所を訪ね、河童グッズを集めた。毎日河童を描くなんてちょっと変わっていたけれど、突き詰めて向き合えたのは財産」。「河童は元々水の神様の使いで、怖い妖怪じゃない」と話す通り手掛ける河童のイラストはどこか人懐こく、見た人に安らぎを与える。

 ○…小2の息子と過ごすのが大切な時間。今熱中しているのはポケモンの通信交換で「河童に似たポケモンを見つけた時はテンションが上がった」と少年のように目を輝かせる。自宅では妻がピアノ、息子が卓上電子ドラム、自身がギターを演奏してささやかな家族セッションをしたり、海や川に出掛けて楽しんでいる。

 ○…藤沢の豊かな自然の中で育った少年時代、江の島の花火を見た思い出を元に綴った絵本「花火の夜に」は、2008年に絵本の新人賞を受賞し作家として活動する足掛かりとなった。デザイナーなどを経て、現在は美術専門の学校で教師も務めている。「経験を活かしクリエイターとしてどう生きるかを伝えている」。今後は「子どもと関わりながら美術を盛り上げ、面白い作品を生み出していきたい」と穏やかに微笑んだ。

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