茅ヶ崎版 掲載号:2017年8月18日号
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市内商業者の加工商品開発用に摘果ブドウを提供した小西 利章さん西久保在住 67歳

作物への愛情滲ませて

 ○…ブドウや梨を栽培する小西農園を切り盛りしている。旬を迎えたブドウ「藤稔」は、良質な果実を育てるために間引く作業を行い、毎年200kgほどの摘果ブドウを知人の生花店へ装飾用に譲り廃棄していた。昨年、生産者らの会議で寒川の梨をジャムに加工していることを知り「摘果ブドウを有効活用できないか」と市へ提案。市内の飲食店などがケーキやピクルスを試作し、今夏摘果ぶどうの取引を行い商品化された。「美味しい物ができてありがたい。さらに商品開発してもらおうと無償提供も行った。名産品が生まれれば」と期待を寄せる。

 ○…幼い頃から、野菜農家を営む両親を手伝うのが日常だった。中学・高校時代の趣味はラジコン飛行機。「パイロットになりたかった」と目を細めるが「心の中ではいつか家業を継ごうと決意していた。親は『農業は大変だから継がなくていい』と言っていたけれどね」。平塚農業高校卒業後は、医薬品の製造会社に勤務。仕事の合間に両親を手伝い、作物の手入れをした。

 ○…20代後半の頃、親戚から分けてもらった梨の木を育て、直売での対面販売を始めた。「お客さんに直接『美味しい』と言ってもらえたのが何よりうれしかった」。それを機に果樹を中心に育てるようになっていった。勤務先の拠点が関西のみとなることをきっかけに50代半ばで早期退職し、農業の道一本に。現在は父、妻、3人の息子と暮らし、農家を継いだ長男と妻の3人で出荷作業を進めている。「家族の協力があるからこそできる仕事なんだ」と感謝を滲ませる。

 ○…年齢や後継者問題、輸入品の影響など農家を取り巻く状況は厳しいものがあるという。それでも「うちの果物は丁寧に手作業で育てているから負けないよ」ときっぱり。8月上旬から今年の直売が始まり「手を掛けて育てた果物を求めて来るお客さんの笑顔を見るのが楽しみ」と、人と作物への愛情が溢れている。

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