神奈川県産の農林水産物や加工品などを県産品として認定し登録する「かながわブランド」に、このほど「湘南梨(平塚産)」「開成弥一芋」とともに茅ヶ崎が生産地の「ちがさき牛」が新たに登録された。
「かながわブランド」は、神奈川県と生産者団体で組織する同ブランド振興協議会が選定しているもの。審査は生産者からの申請を受けて随時行っており、書類審査後、専門家や消費者モニターとの面接、試食などを行い「消費者にアピールできる安全性と商品の特徴がある」「統一の生産・出荷基準を守り一定の品質を確保している」などの基準を満たすと認定・登録となる。
今回の3件は、8月28日に開催された審査会を経て登録。現在の登録数は58品目95登録品となった。
これまで、茅ヶ崎市を産地とする「かながわブランド」は、野菜の「さがみのかぶ」のみ。それ以外は生産地として近隣市町とともに登録されている5品(畜産品の「湘南和牛」「やまゆり牛」「さがみ牛」、水産品の「湘南しらす(生)」、水産加工品の「湘南しらす(加工品)」)だった。今回「ちがさき牛」が追加されたことで、茅ヶ崎市単体の登録品は2品目となる。
直売で地元の人へ
「ちがさき牛」を生産しているのは、株式会社ちがさき牛齋藤牧場(芹沢397の1・齋藤勝巳代表取締役)。こだわりは、藤沢産のおからや横浜のビール工場から出るビール粕、ミネラルを多く含んだ海藻など、15種類を独自にブレンドしている飼料。また、地下70mから汲み上げた地下水を与えることで「くどくないおいしい脂質」が特徴の和牛となっている。
同牧場は「大切に育てた牛肉を地元の人に食べてもらい、地産地消を進めたい」との思いから、2011年に市内で初めて肉牛の販売許可を得て、牧場内の販売所で直売を開始。6次産業化にも取り組んでいる。
県担当課によると「審査会でちがさき牛は、味の良さはもちろん、飼料へのこだわり、茅ヶ崎という地域を意識した地産地消の取り組みが評価された」という。
地産地消進めて
ちがさき牛の1カ月あたりの出荷量は、直売開始当初は150kgだったが、現在では1000kgに。昨年1年間には79頭を出荷し、市内の飲食店などのメニューにも並ぶようになった。
今回の認定を受け、同牧場取締役の齋藤忠道さん(35)は「地元に美味しい作物が数多くあるということを、かながわブランドを通じてPRしていきたい」と話し、「本来地産地消は、輸送費を掛けず新鮮な作物を地元で消費するもの。しかし大量生産の作物が市場に安く出回り、地産地消品は高価と思われがち。地元での消費が進むよう、様々な取り組みを進めていきたい」と展望を語った。
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