市制施行70周年記念事業市史刊行物『茅ヶ崎を彩った70人』の市史編集員長を務めた 小風(こかぜ) 秀雅(ひでまさ)さん 堤在住 66歳
「分からないから面白い」
○…「茅ヶ崎の歴史を主人公に、それを彩る人物のつながりを紹介。一味違った市史刊行物になったのではないかな」と控えめながらも自信を覗かせる。茅ヶ崎市市史編さん事業の立ち上げに際し、恩師の推薦で加入したのが23歳の時。以来43年にわたり、市史刊行物に携わってきた。現在は藤沢市など他地域の市史編さんにも関わるが「やはり一番思い入れがあるのは茅ヶ崎」とほほ笑む。
○…生まれは鎌倉市大船。小さい頃から子ども向けの歴史本や『太閤記』などの歴史小説に夢中で「いつのまにか研究者になってたよ」と顎ひげをひと撫で。現在はお茶の水女子大学の名誉教授として教壇に立つ。近代日本史を専門に選んだ理由は「一番分からなかったから」とにやり。歴史への思いは人一倍で「歴史は分からないから面白い。だから研究し続けられる。小さな発見の後ろに、面白いことがたくさん広がっているんだ」と熱く語る。
○…約20年前の結婚を機に茅ヶ崎へ移り住んだ。「茅ヶ崎には、何か人を引き付ける風土がある。住んで改めて実感したよ」。同じ研究者の道を進む息子は西洋史分野を選択。「やっぱり私とは違う畑に行きたかったんじゃないかな」と苦笑しつつも「今日の服は息子の見立て」とにっこり。近年は文化財保護関連の仕事を兼ねて各地を旅行するのが楽しみだという。「どこに行っても発見がある」と目をきらめかせる。
○…70周年誌で試みた、人の繋がりから地域を見つめ直す初の手法に確かな手ごたえを感じている。「調査は楽しかった。他の編集員の方たちもそれぞれに思い入れがあるんじゃないかな」と笑顔で振り返る。「茅ヶ崎らしさ、と一言で言おうとすると難しい。風土って見えないでしょ。でも、代々茅ヶ崎に住む人、たまたま茅ヶ崎に移った人、少し遊びに来た人、様々な人の繋がりの縁を辿ると”らしさ”が見えてくる気がするんだ」
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