茅ヶ崎市と災害時協定を結んだ「茅ヶ崎セフティコミュニティアマチュア無線クラブ」の会長を務める 中野 久夫さん 浜見平在住 77歳
無線で地域を繋ぐ情熱家
○…市内のアマチュア無線免許保持者20人で組織する団体の会長。東日本大震災の被災地でアマチュア無線が役立った事例をきっかけに、地域社会の力になろうと2015年に結成した。このほど市と「災害時に通信環境を確保する協定」を結び「もっと会員を増やして協力体制を強めたい。いざという時、力になれると信じている」と意気込む。
○…千葉市生まれ。小学生の時に父親からプレゼントされた「ラジオの作り方の本」を読み、部品を集めて鉱石ラジオを完成させた。「初めて音が鳴った時の衝撃は忘れられない」と目を輝かせる。中学ではサッカーの練習後、ハンダを手に真空管ラジオを作るなど興味は深まるばかり。千葉工業高校へ進むと、友人の持つアマチュア無線機に憧れたが、教諭に誘われてラグビーに明け暮れることに。「ボールを蹴ることと足の速さだけは取り柄でね」とバックスの右ウイングを務め、関東大会出場も果たした。
○…高校卒業後、外資系のレジ製造販売会社に就職した年に、念願叶ってアマチュア無線の免許を取得。都内や水戸、仙台など転勤が多かったが「無線の交信でその土地の友人ができた。今も交流がある」と誇らしげだ。定年退職後の現在は茅ヶ崎駅南口の駐輪場に勤め、利用者への挨拶を欠かさない。「おせっかいかもしれないけれど、地域の人同士顔見知りになっておくのが大切」。妻と暮らし、4人の孫が遊びに来るのが至福の時間。「孫が『帰りたくない。もっと遊ぶ』って駄々をこねるのが可愛くて」と思わず目じりが下がる。
○…アマ無線クラブでは12月末まで市制施行70周年記念局を開設し、日本全国はもとより姉妹都市ハワイ・ホノルルとも交信。学童保育施設などで科学教室を開くなど、地域に向けた取り組みにも積極的だ。「自分が幼い頃そうだったように、子どもたちが興味を持つ機会を作りたい。人と人の繋がりを大切にして活動を続ける」と笑顔を見せた。
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