市民団体「湘南ネコ33(みみ)」(藤原美智子代表)が、「災害時ペットの同行避難」の普及と啓発を目的とする署名運動を5月28日(土)午後2時から5時に茅ヶ崎駅北口ペデストリアンデッキで行う。
「湘南ネコ33」は野良猫を増やさないための活動などを行う団体。昨年11月に発足し、賛助会員含め19人で活動している。
同会では東日本大震災を教訓にペットの防災にも取り組んできたが、今回の熊本地震を受けて「災害時に避難所にペットを連れていけるのか?」など、ペットの飼い主から不安の声が多く寄せられるようになった。現在ペットの受け入れ態勢がない市内の避難所もあることから、すべてのペットと飼い主が安全に避難できる環境を整えようと署名運動を企画した。集めた署名は市へ提出する。藤原代表は「同行避難ができても避難所に『同伴』で滞在するのは難しいのが現状。飼い主自身で準備していくことが大切」と話している。同会では市の市民活動げんき基金を使い、ペットの同行避難への啓発冊子も作成していく。
受け入れ態勢に温度差
環境省は、東日本大震災時など大規模災害の経験から、飼い主とペットが同行避難することを推奨し、2013年度に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を作成。その中で動物愛護の観点だけでなく、放浪動物による危害防止や生活環境の保全という視点からも同行避難を必要とみなしている。さらに、飼い主の責任による同行避難を前提としながらも、個人の限界に備え、災害時に円滑な動物救護をするために平常時から行政、個人、獣医師、ボランティアなどが連携をとりながら準備を進めていくことの必要性を訴えている。
これを受けて茅ヶ崎市では、災害時の避難所運営マニュアルにペットの取り扱いについての項目を整備しようと2013年度から着手している。各避難所では、避難所となる学校と市、自主防災組織などが中心となり年に1回打ち合わせ会を開いて、異なる地域特性を踏まえたマニュアルを作成しており、その重要課題のひとつとして、ペットの受け入れについても話し合いを進めている。
具体的な対策はこれから
市内に32カ所ある避難所のうち「設備面がまだ整っていない」「手が回らず検討が進んでいない」などの理由から、避難所運営マニュアルにペットの受け入れについて記載がない避難所は数カ所ある。また、記載があっても具体的な受け入れ態勢が整っていないケースもあるなど課題は多い。
飼い犬の登録などを取り扱う市環境保全課では昨年から避難所の打ち合わせ会に参加。ペットの受け入れについて現状を把握し、住民と意見を交わす活動も進めている。また、市防災対策課でもペットの対応について、どのレベルまで避難所に求めるかなど具体的な指標を打ち出すことも検討しているという。
両課では「地域の温度差もあり難しい面もあるが、飼い主と受け入れ側の共通認識を高め、双方とすり合わせながら体制作りを進めていきたい」と話している。
ペットの災害対策の相談は、市環境保全課【電話】0467・82・1111(代表)で受け付けている。
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