自転車ロードレースの実業団チーム「PHANTOM湘南」でゼネラルマネージャーを務める 野崎 嘉之さん 共恵「CODE BIKE」代表 44歳
自転車に魅せられて
○…チーム結成から初のレースを3月21日に宇都宮で経験した。選手を後方から支える立場から、全選手が無事完走したことにまずは胸を撫で下ろす。「今回は顔見せ。ヒルクライム(登坂)に特化したチームなので、本番は4月の大会」と話す一方で「スポンサーは選手が活躍することと、その上で企業の広告塔となることを望んでいる。応援してくれる人のために勝つのがプロ」と気を引き締める。
○…出身は相模原。野球、サッカー、剣道に励むスポーツ少年だった。8つ年上の兄の影響で自動車や単車にあこがれ、高校では免許や購入資金のためバイトに明け暮れた。「やり過ぎて親を学校に呼ばれたことも」と頭をかく。卒業後は起業を夢に洋菓子店や水道工事店で働いた。20歳の時、友人に見せられたマウンテンバイクの「格好良さに衝撃を受けた」。自身もマシンを購入し、大会出場やカスタマイズを楽しむうちにすっかり夢中になっていた。
○…腰痛を患い転職を決意したところ、行きつけの自転車店のオーナーから起業を誘われた。始めこそ「趣味で食えるわけがない」と思ったが「本気なら面倒をみる」というオーナーと「やってみたら」と背中を押してくれた妻の言葉で覚悟を決めた。整備から経営までみっちりと学び、2003年に茅ヶ崎市共恵で開業。同業者やプロのメカニックなどの仲間に指導を受けて「今ではママチャリからロードバイクまでどんな自転車でもいじれる。困った時に手を差し伸べてくれた人たちのおかげ」と感謝する。
○…平塚で妻と12歳の長男、6歳の長女の4人暮らし。長男はロードレースで地方大会の入賞経験があり「娘も運動神経が良いと思うけれど、自転車にまったく興味がない」と肩をすくめる。休日はスポーツカーで峠を走り、バス釣りも趣味だが今はチーム運営が最優先。「自転車で地域を盛り上げ、地域に愛されるチームになりたい」。思いを胸に夢が走り出した。
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