タウンニュースでは2011年の年頭を飾る特別企画として、山上貞夫寒川町長への新春インタビューを実施。昨年の寒川町は深刻な財源不足により、事業の廃止や縮小を強いられた。財政問題から寒川駅北口再開発などについて、山上町長に新年の展望と抱負を語ってもらった。※聞き手は本紙編集長・澤口厚
─まずは2010年を振り返っての感想をお願いいたします。
町長 昨年の国内経済は、2008年秋のリーマンショック以降続いた大変厳しい状況から、ようやく上向いてきたところでありましたが、夏から秋にかけての急激な円高、株安の進行で景気回復にマイナスの影響を与えました。今年の春以降には、海外の成長に引っ張られる形で緩やかに回復するという見通しもありますが、一日も早く国民が景気回復を実感できるようになることを期待しています。
寒川町の昨年を振り返ってみますと、田端スポーツ公園が完成し、新しい野球場、全天候型の陸上競技用トラックを備えた多目的運動場など、町民の皆さんがスポーツに親しみ、健康増進に役立てていただける施設がまたひとつ増えました。また、小中学校の施設耐震化工事については、すべての学校で完了することができました。これでようやく子どもたちが安心して教育を受けられる環境が整い、ホッとしております。
─先月に、寒川駅北口に待望の公園が完成しました。駅前広場の工事も進んでおり、北口周辺は刻々とその姿を変えています。北口の土地区画整理事業の進捗状況などを含め今後の予定、そして公園の活用方法などをお聞かせください。
町長 昨年末、名称を一般公募いたしました「寒川駅前公園」が完成しました。12月21日には、オープニングイベントや寒川駅北口商店会主催のイルミネーションフェスタが開催され、イルミネーション点灯式のほか、模擬店やクリスマスライブで大いに盛り上がりました。これからも、各種イベントなどにも活用しながら、町の玄関口に相応しい憩いの公園として多くの皆さんに親しんでいただき、北口周辺がにぎわいのある街として発展していければと考えております。
また駅前広場の工事ですが、春には車の乗り入れが可能となり、バス、タクシーの乗り場も整備する予定です。その後、駅前広場内に順次エスカレータ、エレベーターの設置工事を行います。
寒川駅北口地区土地区画整理事業も終盤に入り、都市計画道路寒川下寺尾線より北側の区域についてはほとんどの整備が終了し、今後は駅前周辺の方々に移転をお願いすることになります。移転、工事等でご迷惑をおかけいたしますが、町の生活中心拠点となる本事業が、一日も早く完成するように努力してまいります。
町民と協働の町づくりを推進
―2010年度の町の財政は非常に厳しく、老朽化に伴った寒川町公民館の休館、「広報さむかわ」の発行回数の減少、各種団体への補助金削減など、町民生活にも大きな影響を及ぼしました。2011年度の財政の見通しはいかがですか?
町長 平成22年度の予算編成においては、世界的な経済情勢の悪化により、歳入の大半を占める町民税が大幅に落ち込む見込みとなり、寒川町緊急財政対策会 議において事業の見直し等を行い、経費の削減を行いました。このことによって、町民の皆さんには大変ご迷惑をおかけしておりますが、平成23年度におきま しても、景気の緩やかな回復の兆しも一部見受けられますが、円高等による影響で先行き不透明な状況であり、急激な税収増は見込めず、厳しい財政運営が続く 見通しとなっております。
従いまして、平成23年度予算編成方針にも示しておりますが、今年度の緊急財政対策の内容を継承しつつ、事業 の「選択と集中」の考えからメリハリのある予算編成をしていきたいと考えておりますので、町民の皆さんのご理解・ご協力をお願いしたいと思っております。
―昨年は、住民によるレシピ考案や投票を経て選ばれたB級グルメ「さむかわ棒コロ」が、町内外のイベントで人気を博しました。町内の飲食店でも食べられるなど、着実に町民の間に普及しつつありますね。
町長 町内の商業者の皆さん、商工会、観光協会、JAさがみをはじめ、多くの方々と「さむかわB―1バトル」を開催しました。「名物になる料理」を提案い ただき、多くの候補の中から「さむかわ棒コロ」が選ばれましたが、寒川の新たな名産品として、町内外の各種イベントで紹介し、その名前が浸透し始めており ます。これからの展開が非常に楽しみなところです。
商業、観光を活気づけ、「さむかわ棒コロ」を育てていくためには、やはり地元で愛さ れることが必要です。小さな子どもたちや中高生などが気軽に食べられるような工夫も必要でしょうし、町民の皆さんが町外のお知り合いに発信していただける ようになれば、ありがたいと思います。
「さむかわ棒コロ」が誕生し、ここまで普及してこられたのは、ご協賛いただいた皆さんのおかげで すし、飲食店などを経営する若いスタッフの方々が熱意をもって取り組み、一体となってイベントへの出店などをサポートしていただいた結果であると感じてお ります。これからも商工会などと協力し、取扱店舗を増やし「まちおこし」に一人でも多くの皆さんにご賛同いただけるよう努めてまいります。
また関係者の皆さんからは、今年5月に開催される予定の「神奈川フードバトル」で優勝し、さらに町を活気づけようという夢のある心強い話も聞いております。ぜひ、町民の皆さんも応援していただき、「さむかわ棒コロ」を育てていただきたいと思います。
―最後に新年の舵取りの決意をお願いします。
町長 最近の経済情勢から、現状においては急激な景気回復は見込めない状況でありますので、今年も昨年同様、町の財政運営は大変厳しいものであると予想し ております。町といたしましては、時代の要求、町民ニーズをよく見定め、柔軟に対応できる体制を整えなくてはならないと考えております。
今年は、女性や小さなお子さんの健康施策として、子宮頸がん予防ワクチン接種やヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン接種について、国基準の接種対象年齢 の方は自己負担なしで接種できるようにいたします。また、広域で取り組んでおります(仮称)広域リサイクルセンターの建設につきましては、来年4月の稼働 を目指し事業を進めてまいります。これからも、町民の皆さんとの協働によるまちづくりを町政運営の基本として、笑顔で過ごせる町にするために、私をはじめ として職員一同全力で取り組んでまいります。
―本日はどうもありがとうございました。
資料を手に取り説明する山上町長
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