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最新号:2012年2月 2日号
2010年8月12日号
長い教員生活から一転、市川正行さん(北金目在住)が、犬を通じた社会福祉活動を行うNPO法人を立ち上げた。市川さんを活動に駆り立てたのは、犬を愛して止まなかった娘との別れだった。
市川さんは今年3月、グッズの販売や募金活動で得た収益を、聴・盲導犬、介助犬、セラピー犬の育成団体に寄付する活動などを行うNPO法人ERUを設立した。法人名は、自宅で飼う愛犬の名前だという。「まだ一般に知られていない、聴導犬やセラピー犬の存在を知ってもらいたい」と市川さん。その思いを後押ししているのは、3年前に亡くなった次女・博子さん(享年22歳)の存在だ。
犬に関わる仕事に就こうと動物専門学校を卒業して約1年後、博子さんは急性心不全に倒れた。絵が好きだった博子さんの部屋からは、犬をモチーフにしたイラストなどが何枚も見つかったという。中でも、博子さんが幼い頃に飼い始めた最初の愛犬「ビッケ」をモチーフにしたイラストが、市川さんの目にとまった。
市川さんは、イラストを基に携帯ストラップを製作。昨年2月、博子さんがファンだった歌手の平原綾香さんが秦野市で公演を行った際、ストラップを手渡した。「博子は毎年、ツアーの最初と最後の公演を観に行くことを楽しみにしていて、いつも平原さんにプレゼントと手紙を渡していました。でも、亡くなった年の最終公演は観ることができなかった。平原さんに博子の思いを伝えたい。そう思っていたんです」と市川さんは話す。
ストラップをきっかけに、「動物と人が支え合っていけるような関係を築きたい」という博子さんの遺志を受け継ごうと、昨年教員を退職し、NPO法人の活動に専念している。ストラップのほかにも、博子さんのイラストをあしらったTシャツを製作し、グッズや募金箱を置いてもらえる店舗探しに奔走する。
先月、設立後初となる寄付を介助犬・聴導犬の育成団体に行った。「多くの人が賛同し、協力してくれていることが嬉しい。自分も博子を失ったとき、エルがいたから心が救われた。いずれはセラピー犬の育成にも携われたら」。博子さんの夢を自身に重ね、犬と人間との架け橋を担う。
問/【携帯電話】080・1074・6565市川さん