改修家屋の約半数は実質負担90万円程度
東海地震や神奈川県西部地震の可能性が指摘される中、1981年以前の旧建築基準法で建てられた住宅の改修は、喫緊の課題だ。市は2009年に策定した耐震改修促進計画に基づき、2015年度までに耐震化率(総戸数に対し、耐震性があると認められる戸数の割合)を90%まで引き上げる目標を掲げている。
同計画によると、81年以前に建てられた住宅は3万4000戸。このうち耐震性の無い住宅は約2万戸で、市内総戸数の約20%を占める。耐震化率は08年の時点で80%で、15年までに90%を達成するには、約3600戸の耐震改修が必要という。
改修を行う際には、市の補助制度により耐震診断を5千円で受けられるほか、耐震補強工事費の2分の1(上限60万円)にも補助金が交付される。
市建築指導課によると、補助制度で改修を行った住宅の約半数は工事費が150万円以下、補助金上限の60万円を差し引いた90万円程度で工事を済ませた。施工期間は平均6週間で、工期中も住宅内で生活することができる。
「まずは診断を受け、自宅の耐震性を確認してほしい」と同課は話す。しかし、96年から10年に診断を受けて耐震性の不足が判明し、建替えや改修に未着手だった約300世帯へのアンケートでは、「検討中」「予定なし」との回答が54%に上った。工事費の捻出が不可能な場合や、改修による効果への疑問、いつまで住み続けるか分からないという声もあり、改修への移行促進が課題となっている。
伸び悩む耐震化の打開策として、市は今年度から耐震シェルターの設置に2分の1(上限25万円)の費用を助成する制度を導入した。
シェルターは、1階の1部屋を鉄骨や木質系パネルで囲んだ箱形の構造物。シングルベッドが2台置ける広さの木質シェルターの場合、おおむね25万円(補助金を含まず)で設置が可能という。
阪神・淡路大震災では、新耐震基準による建物の大破割合が10%未満だったのに対し、81年以前の建物は30%に迫った。犠牲者の90%が家屋などの倒壊による圧迫死だったことも、耐震改修の必要性を示す。同課では「地区説明会やイベントでの啓発を通じ、耐震化の重要性をPRしていきたい」としている。
■市建築指導課【電話】0463・21・9732
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