未加入世帯への訪問も
地元住民の手で防災や防犯、地域活性などに取り組む自治会にとって、加入率の伸び悩みは頭の痛い問題だ。市と市自治会連絡協議会は今月から、市内を走るごみ収集車10台に自治会加入を促す広告を掲載し、未加入世帯へのPRを始めた。
市内には233の単位自治会・町内会があり、世帯加入率は76%。市協働推進課によると、加入率はここ数年横ばいが続いているという。地域による加入率の差も大きく、市街地周辺では転入転出の頻度が高いことから、加入世帯が安定しないという事情もある。
ごみ収集車は決まった曜日に市内を巡回するため、広告を掲載することで市民の目に付きやすい。同課は、自治会掲示板など約1000ヵ所に加入促進ポスターを張る事業も行い、加入世帯の増加を目指している。
自治会関係者も手をこまねいているわけではない。未加入世帯を直接訪問し、加入を呼びかける「ローラー作戦」に乗り出す自治会も出てきた。加入率90%の出縄自治会が今年1月と2月に行ったローラー作戦では、81世帯を訪問して5世帯の入会を取り付けるなど、地道な活動が実を結びつつある。
自治会の活動をホームページで紹介する取り組みも進んでいる。市ホームページからアクセスできる「ちいき情報局」のページでは、市内に27ある連合自治会のうち11の会が、地区のイベントなどを紹介することで地域の魅力を発信している。
「役員を押し付けられるのではないかとか、自由でいたいという思いが、加入を躊躇(ちゅうちょ)する原因になっているのでは」と、市自治会連絡協議会の小川詔三会長は話す。地縁関係から生まれた自治会は、近所付き合いの希薄化といった時代の変化に直面している。「それでも、義理や人情、ごあいさつの気持ちは忘れてはいけない。事件や災害時、お互いに助け合うことができるのが自治会組織。そのためにも、若い人たちの加入率を上げることが重要になる」(小川会長)
自治会は自身の生活と無縁と考える未加入世帯にとっても、ごみ収集場所の清掃や防犯灯の維持管理など、自治会活動が日々の暮らしに関連しているケースは多い。小川会長は「自治会を知ってもらうきっかけをつくり、根気強く訴えていくしかない。レクリエーションなどを積極的に開催して、まずは自分たちの住んでいる地域に興味を持ってもらえたら」と、未加入世帯との接点を持つことが大切だと指摘する。
自治会加入に関する問い合わせは市協働推進課【電話】0463・21・9618。
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