独居高齢者らの安否確認などをする「見守り」を担保する施策として、平塚市は4月から、「高齢者在宅時緊急通報システム」「はいかいSOSみまもり携帯」「お話し見守り歩数計(ひらつかミルック)」という、3種の通信機器を活用した行政サービスを新たに開始した。
平塚市内の高齢化率は23%(2013年1月1日現在)で、5年前と比べて3・4%増加。市が12年4月に実施した調査では、75歳以上の単身者は2754人で、65歳以上の独居高齢者は六千人に上ると推定されるという。
こうした状況を受け、落合克宏市長も13年度の当初予算案を発表した2月の記者会見の席上、「高齢者の独居や夫婦だけでお住まいの方の問題を、ほっとミーティング(市長と住民の対話集会)の中で、今後どうするんだと。行政としての生活支援、見守りの強化をという声をたくさんいただいた」と、安否確認を補完する行政サービスのニーズの高さを強調した。
市は今年度予算で、「高齢者在宅時緊急通報システム」「はいかいSOSみまもり携帯」「お話し見守り歩数計」の利用を補助する新規事業に、約2300万円の費用を投じ、4月1日から運用を始めている。
生活のようすセンサー検知
「高齢者在宅時緊急通報システム」については、自宅の電話回線を利用した緊急通報装置の取り付けや利用料の一部を補助。65歳以上の高齢者のみ世帯で、持病で発作を起こす可能性がある人らが対象となる。
通報装置は、緊急ボタンからワンプッシュで民間委託先の「あんしんセンター」につながり、有事には警備会社が駆けつける。
ボタンを押せない場合も想定されるため、在宅時の動きを検知するセンサーも壁などに取り付ける。センサーが一定時間作動しないと、センターが安否確認のための対応をする。
利用者の負担額は、月額400円。新規取り付け費用(約1万円)や利用料(月額3885円)の残りは市が負担する。
GPSで徘徊探索
「はいかいSOSみまもり携帯」については、徘徊の恐れのある高齢者がいる世帯に、居場所をGPS検索できる携帯電話を貸し出す。家族らが委託先の「見守りセンター」に捜索依頼すると、高齢者の位置情報が提供される仕組みだ。
徘徊対策はこれまで、本人の写真などを事前登録してもらい、家族が通報すると、市や警察署が関係機関にFAX等で捜索協力の要請を流していた。GPSを活用することで、迅速な居場所確認が期待される。
利用料は1000円程度で、利用者は300円(課税世帯)を負担する。
介護予防の効果も期待
「お話し見守り歩数計」は、健康相談センターへの通話や、GPSによる居場所検索、在宅時の動きを検知するセンサーといった見守り機能に加え、健康増進のための歩数計としても使えるユニークな携帯電話。自治体が活用するのは、全国的にもまだ稀だという。
市では、65歳以上の単身者で日常生活に不安があったり、健康増進したい人らに歩数計を貸し出す。利用者の負担額は400円(課税世帯)で、約600人の利用を想定している。
歩数計について、市担当者は「外に出るきっかけにもなって、近所づきあいも広がるでしょうし、介護予防にもなる。そうした好循環も生まれれば」と効果に期待を寄せていた。
各サービスの利用申し込みは、市高齢者よろず相談センターやケアマネージャーを通じて申請できる。問い合わせは、市高齢福祉課0463・21・8778。
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