平塚版 掲載号:2013年4月25日号

タウンレポート

「光化学スモッグ」発令ここから

四之宮の県環境科学センター

騒音対策の実験を行う「無響室」。天井、壁、床の下にいたるまで吸音材が内装されている。右下は実験に使用した車と植え込みの模型
騒音対策の実験を行う「無響室」。天井、壁、床の下にいたるまで吸音材が内装されている。右下は実験に使用した車と植え込みの模型

「未規制の物質」つかむ役割目指す

 市内四之宮にある神奈川県環境科学センターが、科学技術週間に合わせて毎年、施設内部を一般公開している。県の施設であるが、身近にあるここは何を研究しているところなのか。今年も19・20日にわたって行われた一般公開に記者も同行。「探検」した施設内を紹介する。

 1991年に発足した同センターは、1968年に横浜市に設置された「公害センター」が前身。環境問題も質の変化を遂げている昨今、調査・研究を通じてあらゆる問題に対する科学的知見を示す役割を担う。

 今年1月に関心を集めた微小粒子状物質(PM2・5)は、新たな環境問題として注目を集めた。同センターの池貝隆宏さんは、「多くの問い合わせがあり、地域の皆さんの関心の高さを感じます」と話す。平塚市では旭小に計測局が置かれており、県内34カ所に設置した計測器のデータを同センターが一括で収集・解析し、ホームページでデータを発表している。かつては1日の平均値を公表していたが、住民からの要望を受け、2月から毎時あたりの計測値の公表に踏み切ったという。

 よく耳にする「光化学スモッグ」の注意報や警報も、同センターから発令されている。県内97カ所に設置されている自動測定器で観測したデータを収集し、センター内のモニター上に全カ所の数値が表示される仕組みだ。川の水、地下水、土壌を調べるのも同センターの仕事。昨年11月、金目川で魚の大量死が見つかった際には、川の水質を調査した。

 無響室、残響室といった、騒音を調査する部屋もある。無響室は、音を吸収するグラスウールが使われたくさび形の吸音材が部屋の四方に敷き詰められ、外からの音も、中で発する音も響くことのない不思議な空間。模型を使い、道路の騒音対策のための実験などを行っている。

 発足当初は「研究第一」という考え方があった。しかし、池貝さんは「地域の人が知りたい情報を発信していくこと、そして一緒に環境問題を考えていくことが重要」と話す。施設には、顕微鏡や測定器などの設備が整った、県民が自由に使用できる実習室も備える。地域での「環境学習リーダー」を養成するための講座も開き、定年後の趣味として参加した人など、これまでに700人が修了した。各々自主的な活動を行い、すそ野を広げているという。

 池貝さんは「第2のPM2・5となりうるような、今後問題となることが考えられる未規制の物質情報を、あらかじめつかむことも必要」と、力強く語った。単なる「研究機関」ではなく、研究対象を先んじてつかむ。そして、「発信拠点」として平塚から全県へ、時代に則した環境情報に対応していく構えだ。
 

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