自転車で日本一周した記録を本にまとめた 飯田 昇治さん 中原在住 77歳
旅の苦楽はすべて思い出
○…「中高年のサイクリストや自転車を始めようとしている人の参考にしてもらいたい」と、12年がかりで日本一周1万5千Kmを自転車で走破した記録を一冊にまとめ、自費出版した。内容は訪れた観光スポットを始め、自転車の調整法や体調管理、予期せぬ事態への対応、出会った人との思い出など多岐にわたる。自転車で旅行をしたことがない人に興味を湧かせ、始めようという人の資料となる読み応えあるものだ。
○…定年を迎えるにあたり、この先何をしようかと考えた。そのとき、学生時代にアルバイトをして中古自転車を購入し、東京から大阪、新潟などへ走ったことを思い出した。「何せお金がかからない」と自転車に打ち込むことを決意。退職記念で会社からクロスバイクをもらい、1999年から旅を開始した。ほどなくして「続ければ日本一周ができるかもしれない」と意識し始めた。
○…旅で得た宝は出会った人とのエピソード。北海道では、バスの乗り継ぎに時間がかかるため、運転手同士が話し合い国道沿いで乗り換えさせてくれた。青森では、道の駅での会話から思いがけず「ねぶた」を見ることもできた。2000年に立ち寄った岩手の高田松原や宮城の女川駅などは東日本大震災時に津波で流されたが、その景色は心の中に残っているという。「テレビなどに出てくる地名の半分以上は思い当たり、懐かしさが込み上げてくる」と目を細める。
○…出身は東京。就職した日立製作所が秦野に工場を造ったため、1969年、平塚に居をかまえた。40年来車を所有せず移動はもっぱら自転車と「生活でトレーニングができる」。最後に出てきたのは妻への感謝の言葉。「長いときには3週間も留守にしていたのに、快く送り出してくれた」と傍らの夫人に微笑む。今は短距離ライドを楽しんでいるが、「日本の旧街道を行くのもいいかな」と次なる目標に向かい挑戦は続く。
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