小学生の自主教室 夏休みもコツコツ学習 市教委が初開催
子どもたちの元気な声が響く市教育会館の大部屋。小学生が4人一組の机に向かい漢字の書き取りや計算ドリルなどに取り組む。植物の発芽と成長の過程をノートにまとめる子も。小中学校の元教諭が各グループに1人または2人付き添い、サポートする。頭を抱えている子には解き方のヒントを与え、答え合わせで「よく出来たね」とほめる。
かけ算と足し算が混ざった計算は工夫すれば答えが出しやすくなることを教わった児童がうなずいた。10分間の休憩時間も黙々と鉛筆を動かしているのは1年生男子児童。時計の絵を見て時刻を答える問題に赤丸をもらい、100点のプリントを何枚も重ねた。
各地で猛暑日を記録した25日、市教育委員会が開いた自主学習教室の一コマ。夏休み中の小学生に意欲を持って勉強する習慣を身に付けてもらうことを目的に、初めて実施した。22日から31日までの6日間の午前中に1年生から6年生まで40人が同会館に集まり、学習に励んでいる。
自主学習なので勉強する内容や課題はそれぞれ違う。児童は初日に学習計画を立て、計画に沿って苦手な単元のおさらいや漢字と計算の基礎学習を進めたり、夏休みの課題作文や塾の宿題に取り組んだりした。児童のほとんどは保護者から促されて参加したが、4年生の女子児童は「夏休みに遊んでばかりいたら宿題が進まない」と自ら申し込んだという。「先生に教えてもらって、解らない問題ができるようになった」と笑顔を見せた。
市教委は市立小学校28校の全児童へ同教室の開催を案内。6日間出席することを条件に低学年と高学年20人ずつ募集した。定員の約6・5倍にあたる263人が申し込み、抽選で参加者を決定した。「保護者の期待の表れと受け止め、支援員の先生には熱意を持って指導するようお願いした」と金子誠教育長。「この6日間ですぐに成績が上がるわけではないが、勉強のやり方を覚えて家庭でも積極的に学習する習慣を身に付けてほしい。理解が深まることで子どもたちの学習意欲と自信につながる」と話す。
小学校から高校まで新学習指導要領が全面実施され、横浜市が小中学校の土曜日授業の復活を検討するなど各自治体が教育の充実や学力向上を重要課題と位置付け取り組みを進めている。金子教育長は「来年度以降も自主学習教室を継続して開催するか、受け入れ人数や日数を拡大できるかどうかなどについて考えたい」と述べた。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>