浸水、土砂災害など年々悪化する台風被害。今年7月に策定した平塚市総合浸水対策基本計画で定めた短期対策の第一陣として、市は岡崎地区の農業用水路拡張工事に着手する。落合克宏市長が10月22日の記者会見で発表した。
岡崎地区を流れる西海地(さいかいち)雨水幹線について、小田原厚木道路から王御住運動公園まで約600mの区間の拡幅改修を行う。工事は5年をかけ段階を踏んで進められる計画で、今年度は下流105m区間に関し、11月に着工後、来年2月27日の工事終了を予定している。同雨水幹線の拡張事業の全体予算は6億円を想定し、今回の工事では1億4564万8800円の費用を見込んでいる。
同幹線は昭和50年代に敷かれた農業用水路で、時間雨量30㎜程度に対応している。しかし近年発生する豪雨では時間雨量50㎜を上回ることが少なくなく、その都度排水路周辺に水があふれ、隣接する幹道23号大句丸島線の通行を妨げるなどの被害を及ぼしていた。改修後は、時間雨量51㎜程度に対応できるようになるとしている。
土のう設置や河川管理対策も
現在、市総合浸水対策基本計画の短期対策箇所には岡崎のほか、横内、豊田打間木・東豊田、中原・東中原、御殿、新町、須賀の7地域が指定されている。いずれも今後5年以内に浸水対策が実施される予定だ。
対策としては、今回のような水路拡張工事のほか、既に実施されているものに土のうステーションの設置がある。今月の台風18号・19号の際も、用意されていた100以上の土のうはすぐ無くなってしまった。今年度中に短期対策箇所のほか、台風18号で被害の大きかった真土などに追加設置予定だという。
また、市内の水災害の大きな要因として河川の氾濫があり、対策には河川の管理対策も必要となる。原因となる河川の多くは県が管理しており、市では直接的な対策を講じることができないため、市は県に工事の要望を出し続けている。
昨年の豪雨被害に伴って県に働きかけていた渋田川の浚渫(しゅんせつ)工事は今年中に着手する見通し。工事を担当する県河川砂防第一課は「12月発注をめざし、現在、工事規模や箇所の選定に向け現地調査などを進めている」と話している。
市総合浸水対策基本計画を担当する市土木部下水道整備課は「ハード面の対策には時間や予算、用地など限界がある。臨機応変の対応が可能な見回りや土のうなどのソフト対策とバランスを取りながら進めることが、防災・減災の鍵となるのでは」と話した。
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