地場の農産物をPRしながら、地産地消を推進しようと市内の生産農家と市が協働で、軽トラックを使った出張販売「軽トラファーマーズ」を開始した。採れたての新鮮野菜や生花を、軽トラックの荷台に積んで運び、イベント会場などで販売する取り組み。3月25日に平塚新港で催された「地どれ魚直売会」に初出張し、生産農家が買い物客を呼び込み、販売を行った。
対面販売に生産のヒント
軽トラファーマーズは、生産農家が消費者に対して気軽に農産物をPRすることを目的に、市内各地で直売を行う有志の組織として誕生した。
出店にあたっては特定の場所や日時、出店者を定めておらず、市主催のイベントに合わせて4〜5人の出店者を募り、軽トラックの荷台にその日に採れた農産物を乗せて販売する、いわば動く「直売所」だ。消費者との距離を縮めようと生産農家が接客と販売を担い、市が販売場所の確保と提供を行う仕組みだ。
「さっき収穫したばかりのレタスだから新鮮だよ―」。
初出張となった平塚新港でのイベントに須藤誠一さん、行谷誠一さん、松井達雄さん、二宮光正さんの4人が参加した。自前の軽トラック3台にトマトやキュウリ、ダイコン、ネギ、小松菜といった露地野菜やジャムなどの加工品、キンギョソウの花苗を積み込み、活魚が泳ぐ水槽脇の一角に出店。買い物客を呼び込んで販売を行った。
出店者は口を揃えて「接客はほとんど経験がない」と言うも、足を止めた買い物客一人ひとりに声を掛け、持参した農産物の特徴や魅力を丁寧に説明。普段出荷しているJA湘南あさつゆ広場(寺田縄)などの直売所へも足を運んでもらおうと、営業時間や住所、地図などの詳細を記した案内書を手渡し、農産物に合わせて自身の顔を売り込んだ。
初回にしては評判も良く、購入した女性の一人は「スーパーで並ぶ野菜よりも大きくて、お買い得だった」と頬を緩め、野菜を販売した行谷さんは「食べてみて『美味しいね』と言ってもらえる良いきっかけになった」と話していた。また花苗の販売を行った二宮さんは「お客さんと直接会話することで、好みやニーズを知れた。今後の生産に役立つ声が聞けて良かった」と手応えを感じていた。
市農水産課担当者は「地元の農業に目を向けてもらう取り組みとしてこれからも定期的に開催したい。もっと多くの生産農家に参加してもらい盛り上げていきたい」と今後に期待を寄せていた。
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