地元生産者で組織され、稲の収穫や育苗の作業を代行して請け負う湘南ライスセンター株式会社(大島)が6日、平塚生まれの新品種米「はるみ」の播種(種まき)を始めた。JA湘南は今後、県内一のコメどころである平塚で新品種の生産を本格化させていく。
はるみの苗は20日ほどで育ち、今月下旬からの田植えに備える。
JA湘南によると、はるみは平塚生まれの新しい品種。湘南が育成地であることから、「晴れた海」にちなんで名づけられたという。JA全農農営・技術センター(東八幡)で2014年に品種登録され、15年2月には県の奨励品種に指定された。市内の一部農家では、昨年から試験的にはるみの栽培を始めている。
JA湘南は来年以降、現在の主力米であるキヌヒカリから、新ブランド米はるみの生産へ本格的に切り替えたい意向だ。
市内ではこれまで「湘南そだち米」として知られるキヌヒカリや、さとじまんなどを主に生産してきた。15年度の市内のコメの全出荷量は約840トン。そのうち、キヌヒカリは約700トンとおよそ8割を占めている。
同社社長の片倉喜禎(きよし)さん(69)は「来年からキヌヒカリの出荷量の7割をはるみに切り替えられれば」と新品種の普及に自信をのぞかせる。
新ブランド米が期待を集めているのは、その食味の良さにある。「はるみは甘味が強く、もっちりしている」と話すのは同社役員の佐藤光夫さん(70)。キヌヒカリとコシヒカリを配合するはるみは、収穫前の種子から芽が出てしまう穂発芽がしにくく、両品種の長所を抽出している。昨年11月、JA湘南あさつゆ広場(寺田縄)ではるみとキヌヒカリの食べ比べが行われ、「はるみは来場者から好評だった」(佐藤さん)と消費者の評判も上々だったという。
2人は「より良いものを作りたい、という思いで生産しています。ぜひ味わってください」と話していた。
はるみは、JA湘南あさつゆ広場(【電話】0463・59・8304)で購入することができる。
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