明石町の呉服店「だるまや京染本店」では、五月晴れの恩恵を受け、着物の洗い張りの作業を順調に進めている。
同店は創業約150年の老舗。現在は5代目の八木一夫さん(69)と6代目の賢一さん(34)ら洗い張り職人5人で店を切り盛りしている。
洗い張りとは、着物についてしまった汗や食べこぼし、埃などをとるために、着物を一度反物の状態にほどいて水洗いし、のり付けをして仕上げる作業のこと。生地の性質によって縮みや、色のにじみが出るため、作業工程もそれぞれ異なる。洗った後やのり付けした後の乾かす作業もすべて店舗で行っており「よく晴れた日が続く5月は一年の中でも作業がしやすい時期。梅雨入り前に進めていきたい」と賢一さん。県内はもちろん、全国から洗い張りの技術を買って仕事の依頼がくるという。
賢一さんは4年間、システムエンジニアとして企業に勤めていたが、9年前に同店の職人として修業をスタートさせた。着物を着る人が減っていく中で家業を継ぐことを、一夫さんは反対したが、「企業で働く社員は何百万人といたが、だるまやを継げるのは自分しかいない」と、着物や染物の知識は皆無といってもいい中、伝統技術の世界に飛び込んだ。
賢一さんは技術の習得と並行して、会社員時代の経験を生かし、ホームページやSNSを整備し、店舗の宣伝を積極的に実施。最近では着物を着て出かけるイベントの企画などにも挑戦し、新たな顧客創出に向けて奮闘している。
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