中学生「自分でつくるお弁当コンテスト」で、最優秀作品の市販化などに協力する 石川 賢一さん 四之宮在住 44歳
「食材が本当に豊かな土地」
○…「お弁当は彩りが大事。蓋(ふた)を開けた時に喜んでくれる顔を思い浮かべて作るといいですね。レシピを一生懸命考えたのか、地産地消の食材を使っているのか、後片付けも審査のポイントです」。プロの料理人として、包丁をにぎる中学生に注ぐ視線は厳しくも優しい。料理飲食業組合連合会からの審査員として、毎年のコンテストに協力。最優秀作品は、”ご褒美”として自社厨房で再現して商品化、自分たちの考案した弁当が市販される感動を中学生に与えている。「食は家庭の営みの基本。コンテストで終わりにするのではなく、ご両親にもお弁当を作ってあげて欲しい。もっと言えば、料理の仕事をしたいと思ってくれる子供が一人でも出てくれると嬉しい」と笑顔で話す。
○…高校卒業後、アルバイトをしていた割烹料理店に就職した。上下関係の厳しい職人の世界に飛び込んだのも「板前さんの姿が格好良く映ったからでしょうね」と懐かしむ。一念発起して27歳で独立、代官町に自分の名前をもじった和食店「いしけん」を開店し、寝る間も惜しんで働いた。来年には創業20周年を控え、仕出し事業など経営も多角化。従業員も多く抱えるが、そんな今もカウンター前の板場は譲らず、毎朝5時に市場で目利きした魚に包丁を入れ、客との会話を弾ませながら寿司を握る。
○…生まれ育ち、愛着のある平塚。「海も畑もあって、食材が本当に豊かな土地。もぎたての野菜を使えるなんて、飲食店をやるには絶好の立地です」と目を細める。平塚漁協やJA湘南をはじめ、地元生産者との連携も取りながら、地産地消に積極的だ。地場産のソウダガツオやネギを佃煮風にしたふりかけなど、ユニークなご当地商品も開発する。自分の趣味を尋ねられると、しばし頭を抱え込んでしまう仕事人間。「平塚にはこんなに美味しい物があるんだと、多くの人に伝えるのが我々の仕事なんだと思う」と語っていた。
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