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平塚版 公開:2016年12月22日 エリアトップへ

長持在住の添田さん 大工歴63年の腕 神輿に振るう 丸いかんなで曲線部を表現 

文化

公開:2016年12月22日

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添田さんと制作中の神輿
添田さんと制作中の神輿

 元大工の添田政明さん(73)=長持在住=が、商売道具として鳴らした器用な腕を再び振るい、神輿づくりに黙々と励んでいる。東日本大震災の被災地で流された神輿のかわりに、段ボールを担いでいた子供の姿をテレビ番組で観たのがきっかけ。独学で図面を引き、昨年3月から試行錯誤で制作している。「ボケ防止にもなるから」と肩をすくめて話している。


 神輿の図面の参考にしたのが、歴史関連の書籍に載っていた五重塔の構造イラストと、修理を依頼された入野神社の子供神輿だ。「五重塔からだいたいの構造は想像して、あとは子供神輿を修理した時に部品の大きさなどを記録しました」と添田さん。大きな用紙に原寸の図面を書き、廃材を主な材料に作り始めた。

 17歳で大工に就職し、8年間修業を積んだ添田さん。「既製品の便利な道具はなかった時代。現場の木材や親方に指示された部品に合うように道具も自分で手作りした」と懐かしむ。独立してから38年営んだ添田工務店を、「仕事はやりきった」と63歳で閉めた。神輿づくりはリタイア後の格好の趣味になっている。

 添田さんは「まちの大工と、伝統的な手法を使う宮大工の技術はまるで違う。神輿に関してはあくまで素人」と話す。直線的な部品が多い現代の建築物とは違い、曲線的な部品が多い神輿には、かんなも丸みを帯びたものを使用しなければならない。添田さんは、屋根部分の形に合うように、もともと水平だったかんなを削り、流線型を描く屋根用のものを自作した。

 「いつか誰かが担いでくれるかも」と、神輿の強度にも気を遣う。本来、神輿には釘などを使わないが、専門技術が必要なことや、安全性を優先し、ビスや釘で固定。擬宝珠など全て木製で、木の風合いを生かせればと塗装は屋根部分のみの予定だ。

 「神輿好きの友人が頂点に飾る鳳凰の金具を譲ってくれるかも」と完成形も見えてきた。奉納してほしいという声は近隣からも出ているが、被災地への思いから始まった制作ということもあり、神輿の行く先は未定。作業場を通りかかった人が足を止め「見せてほしい」と声をかけられたり、金田小学校の児童が見学に来たりしたこともあった。添田さんは「見学に来た子供たちからのお礼の寄せ書きは宝物。良いものにしたい」と照れ臭そうに笑っていた。

1番左が通常のかんな。神輿制作時は丸いものを使った
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