野鳥写真集「鼓動」を1月9日に出版した 高津 弘人さん 高津創造(株)代表 55歳
感動の大輪打ち上げたい
○…思い立ったら即行動の人である。昨年2月、岡崎を流れる鈴川沿いで望遠レンズを構えるシニアの人たちを見かけた。被写体は水面をゆく鳥の群れ。「生きいきとした瞳を輝かせる皆さんにひかれて」と、思わず一行に声をかけていた。写真に収められた野鳥はどれも躍動感に満ち「この素晴らしい作品を多くの人たちに見てほしい」。そんな思いが湧き上がり、写真集を出版した。
○…伊勢原に生まれた。幼いころ両親が離婚し、姉が身のまわりの世話をしてくれた。習い事はせず、新聞配達をしながら学校に通う毎日。太宰治や三島由紀夫ら文豪が紡ぐ世界で想像の羽を広げるのが至福の時となり、いつしか小説家を志すようになった。「自分で書くうちに日本語、とりわけ漢字のデザインにほれ込むようになりました」。好きな字は「和」。曲線と画数が少なくそれでいて意味に深みがある。そんな独自の感性が磨かれていった。
○…30歳まで小説家の道を目指すも夢はかなわず、翌年、印刷物のデザインを手がける会社「高津創造」を設立した。「形は変われど活字から離れたくない」。そんな一心での船出だった。現在は、大神に事務所を構える。字面や文字数と格闘しながらキャッチコピーを考えるのも大切な仕事で「過去の経験はすべて今に生きています」と充実した表情。愛娘の存在も大きな励みとなっている。
○…22歳の時、花火大会の記事を当日の朝刊で読んだ。不慮の事故で亡くなった夫婦とお腹の子供を偲ぼうと、親族が「追悼スターマイン」を打ち上げると知った。「気付いたら新幹線の中でした」。夜の豊橋で赤、白、青の御霊が打ち上がり、亡き息子の名を叫ぶ父の声がかすかに聞こえた。「目に映る美しさやその裏側にある悲哀、そうしたすべてを追い続けなければ」。そんな思いは今も胸に残る。会社は来年25周年の節目。感動を多くの人へ、これから先も「即行動」を続ける。
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