田村の放課後児童クラブ「サクラ・はうす」が今年10周年を迎えた。元教員だった重田久美子代表(68)が私有地で運営する施設で、手作りのカリキュラムに沿った学習指導や食育などを取り入れ、子供たちの成長に力を注いできた。この節目に合わせて23日には田村にある妙楽寺で体験学習が初めて行われた。
サクラ・はうすは「子供への愛情を地域で注ぎたい」と重田代表が2007年に設立。今年4月に亡くなった義父の菊正さん(享年98)から借り受けた建物を重田代表が私財で改修し、現在定員いっぱいの43人の児童が利用している。
設立以来、教員時代のノウハウを生かして児童の学習指導に力を入れてきた。多くが元教員という陣容もあり宿題の世話だけでなく、児童期に身に付けておきたい算数と国語の基礎を定着させるため独自のカリキュラムを学年ごとに作成。これに沿ったプリントで反復練習をさせている。「勉強はしっかり見ます。ご家庭では親子のふれ合いに時間をかけてください」が重田代表の変わらない信条だ。
おやつの時間に子供たちが口にするのは市販の菓子類よりも手作りのうどんや丼ものなどが中心。「遅くまで働く親御さんも多いので、お腹を空かせないよう温かな食事を食べさせたい」という親心によるもので、食材は重田代表の夫・誠一さん(68)が近くの畑で育てた野菜が使われる。今の時期は茄子をふんだんに使ったカレーが人気といい「地元で収穫した野菜を通じて地域を理解してくれたら」と重田代表は期待を込める。
一方、施設運営には地域の協力も欠かせない。23日には田村の妙楽寺で体験学習が実施され、38人の子供が参加。木村企秀住職(42)の講話に始まり坐禅体験、焼香体験を通じて日本の伝統文化を学んだ。
きっかけは菊正さんのお通夜。生前菊正さんは子供が大好きで餅つきや田植えなど施設の行事へ積極的に関わり、晩年まで指導にも熱心だった。菊正さんの通夜でその話を聞いた木村住職はその人柄に感銘を受け「子供に講話を聴かせたい」という重田さんの申し出を快諾。木村住職をはじめ寺の全面的な協力のもと貴重な学習の機会となった。
ほかにも、サクラ・はうすでは地元婦人会や市民サークルの協力による茶道や押し花の体験学習も実施されており「地域の支えなくして子供の育成なしだと思います」と重田代表。次の10年も地域の支えを得ながら子供愛を形にしていくつもりだ。
市青少年課によると、市が委託する学童保育所は市内に39施設ある。さまざまな理由で放課後に保護者が家庭にいない小学生が対象で、現在およそ1600人が利用している。
|
<PR>
平塚版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>