青柳自治会の脇さん（左）と柏木さん
「お祭りに、昔の活気を取り戻したい」――。10月７日（土）と８日（日）に開催される南金目神社例大祭を盛り上げようと、地元有志が２０１２年から続けている打ち上げ花火を実施する。今年も８日の午後６時30分頃からガスト東海大学前店の南側であげる予定だ。仕掛け人は青柳自治会の柏木進さん（52）と脇大輔さん（48）。子供の頃から親しんだ祭りへの思いが、今年も夜空に花開く。
寄付を募り６年目１００発が夜空に
南金目神社（南金目２４１６）のまつりは、青柳地区のほか、堀之内、坪之内、川前の３地区で開催している。３基のみこしと山車が勇ましく商店街へと集まる様子は迫力満点で、「喧嘩太鼓」と呼ばれる太鼓の叩き合いを披露するのが慣習だ。脇さんは「僕たちが小さい頃は子供も多く、上手くないと太鼓を叩かせてもらえない。悔しくてタイヤで練習しましたよ」と、幼少期の祭りの熱気を思い出す。
近年では青柳地区でも少子高齢化が進み、参加者は減少傾向にある。長年祭りを仕切ってきた交友会もなくなり、みこしの担ぎ手は年々減っている。「東海大の学生を呼んでみたり、みこしを担ごうと近所を誘ってまわったりしたこともあったけど成果はイマイチ。いきなりみこしに参加するのはハードルが高いのかもしれないと思った」と柏木さん。新しく引っ越してきた人や、今まであまり参加してこなかった人にまずは興味を持ってもらおうと企画したのが打ち上げ花火だ。
「初年度は有志でやってみよう」と、自治会メンバーを中心に声をかけ資金を集めた。地元企業の湘南花火を紹介してもらい、打ち上げ場所は稲刈り後の農道に決定。周辺住民宅を一軒ずつ訪ね、打ち上げの承諾をもらい、準備を進めた。
１口１０００円の資金は、初年度に５万円ほど集まり、上がった花火は10発。２年目からは回覧板で周知し、地元の飲食店や理容店からの支援が寄せられるなど、協力の輪が広がった。５回目となる昨年は80人から23万円が集まり、大玉も含め１００発ほどを打ちあげている。
脇さんは「最近では農道に『特等席』をつくって見る人もいます」とにっこり。「祭りのフィナーレを飾る行事として定着してきた」と手応えを感じている。担ぎ手増加にはまだまだ時間がかかりそうだが、最終日の夜の賑わいは戻ってきた。今後も資金を住民から募る「みんなの花火」を通して、祭り全体の参画意識を高め、地域に伝わる文化を守っていきたいと意気込む。
今では積極的に祭りを運営するメンバーとして活動する脇さんも、祭りから遠ざかっていた時期があった。子供の参加をきっかけに自身も復帰すると、旧友との交流も生まれ、虜になった。「僕のようにブランクがあっても大丈夫。少しでも興味があれば、他地域の人でも、花火ついででもいいので一緒にみこしを担いでほしい」と笑顔で話していた。
柏木さんも「体調などの理由で参加したくても来られず、うずうずしている先輩たちがたくさんいるはず。祭りの最後には空を見上げて、花火を楽しんでほしい」と、青柳地区が一番熱くなる２日間を心待ちにしていた。
問い合わせは脇さん【電話】０４６３・５８・３１３５へ。
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