サーフィンフォトグラファーとして平塚の海の魅力を発信している 鈴木 雄介さん 桃浜町在住 41歳
波間に潜む一瞬 カメラに
○…U―SKEというアーティスト名で、刻一刻と変わる波の様子を撮影している。手にはカメラ、足にはヒレをつけ海に飛び込み、飴細工のように輝く大波や、夕暮れ時の海とサーファーなどの風景をとらえる。南国で撮影されたようにも思える作品の中には平塚海岸の風景も多い。「『これ平塚なの?』というギャップを生みたい」と笑う小麦色の肌が、海を仕事場に生きてきたことを表している。
○…松風町出身。18歳の時に先輩とサーフィンのメッカであるハワイのノースショアへ波を求めて旅行した。世界中から著名なサーファーが集まる中、心を掴まれたのは海に入って撮影するカメラマン。「夢を見つけた」と写真の専門学校に通い、出版社に就職。編集者として実践修行を積み、サーフィン雑誌のカメラマンを経て、フリーランスとして各国を飛び回った。
○…時にはプロサーファーに同行し、カリフォルニアやタヒチなど世界の海を訪ねた。東日本大震災の一報を聞いたのはハワイ滞在中。遠くつながる海を前に「帰る場所があるからこそ旅は成立する。地元のまちを写真に残したい」という思いがこみ上げた。帰国後、松風町に基地となるギャラリーを開設。「お湯を注ぐ瞬間が好き」とこだわりのハンドドリップコーヒーも提供している。「昔は砂糖も牛乳もどぼどぼ入れていたのにね」と愛妻の笑顔がギャラリーに花を添える。
○…夜明けと共に波に乗り、昼間はギャラリー、夕日が綺麗ならまた海へ。最近のテーマは「富士山と波」。葛飾北斎の『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』を彷彿とさせる作品は平塚だからこそ撮れたと目を輝かせる。「松林に湘南平が続き、富士山が見える。大きな道路やマンションなどの人工物がないからこそ、江戸時代と変わらない景色がある。気付いていないだけで、素晴らしい景色はまだまだある」。地元の海への敬愛は、まだ見ぬ「究極の一瞬」への情熱に変わる。
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