6月21日付で平塚歯科医師会の会長に就任した 増井 峰夫さん 大神在住 59歳
終わりなき道一途に歩む
○…平塚、大磯、二宮で開業する約150人で構成され、地域医療の一翼を担う平塚歯科医師会。虫歯予防啓発や休日歯科診療、がん検診と取り組みは多岐にわたり、口腔がんの早期発見にむけた大学病院との連携も始まった。一方、こうした活動を知らない人も少なくない。「より多くの方に求められる、理解される歯科医師会を目指していきたい」と決意し、2年間の任期をスタートさせた。
○…伊勢原市に生まれた。実家は八百屋で、放課後は配送をよく手伝った。同じころ、ビートルズに衝撃を受け、音楽に興味を持つように。ピアノを習い始め、神田中学校では吹奏楽部に所属。当時としては恵まれた体格で顧問からは「大型楽器のチューバを抱えられる部員がいない。やってくれないか」と頼まれ、これが後の転機となる。
○…平塚江南高校でも吹奏楽部でチューバを続け、2歳年上の先輩から手ほどきを受けた。「その憧れの先輩が歯科大に進むと知り、私もその道を志すことに決めました」。東京医科歯科大では勉学のかたわら学生オーケストラに入り、日本武道館のステージに立ったこともある。「ビートルズと同じ舞台に立てて感激しました。念ずれば花開くものですね」となつかしそう。在学中に両親が八百屋をたたみ、跡地に増井歯科医院を開業したのが31歳の時。以来「患者さんに寄り添う」を信条として地域医療に尽くしてきた。3人の子供は自立し、現在は妻、母と暮らしている。
○…来年60歳を迎える。「あと10年で歯科医にけじめをつける」と心に決め、日本歯科麻酔学会の安全医療委員会委員や大学の特任講師を務めるなど、学術向上や後進の育成にも余念がない。引退後は「もう一度大学に入って歯科を学び直したい。どこまで行っても分からないことがない、はないから」。大好きなチューバはしばらくお休みし、天職と信じ来た道を一途に歩み続ける。
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