「湘南ひらつか第九のつどい」でコンサートマスターを務める 白井 英治さん 平塚市出身 68歳
音の橋架けつなぐ心
○…年末の風物詩として親しまれる「湘南ひらつか第九のつどい」では、バイオリン奏者として出演する一方、指揮者とオーケストラの橋渡し役を担う「コンサートマスター」を務める。オーケストラの”舵取り”という重役に「何度務めても緊張しますね」と笑うも、「全ての音色が交わった時の迫力や感動は見応えがある。ぜひ会場で多くの人に味わってもらいたい」と力を込める。
○…生まれも育ちも平塚市。バイオリン教師だった父の手ほどきを受け、4歳から本格的に打ち込んだ。「小さい頃はしゃもじに弦を張った両親お手製の楽器で、童謡などを片っ端から弾いていましたね」と振り返る。東京芸術大学を卒業後は「読売日本交響楽団」(読響)に入団。26歳で芸大の非常勤講師に就任し、数多くの楽団でコンサートマスターとしての経験を重ねた。現在は東邦音楽大学の特任准教授として、後進の育成に精を出している。
○…「振り返ると、音楽を通じて多くの方々と交流することができました」とにっこり。読響時代は美空ひばりや矢沢永吉のバックで演奏したり、松任谷由美の全国ツアーに帯同。芸大講師在任中には、地方公演に訪れたことがきっかけで岩手県の「胆沢文化創造センター」で館長を務めたこともあった。「クラシックに限らず、ジャンルを超えた様々な経験ができたことは、今の自分の音楽活動にもつながっている。良い経験をさせてもらいました」とほほ笑む。
○…「平塚は音楽文化がとても活発。ふるさとでシーンが盛況なのはとてもうれしいことですね」。平塚音楽家協会では、副会長として幼稚園や保育園に出向いてコンサートなどを開催、地元音楽の普及に向けて草の根活動にまい進する。目下の目標は「音楽という文化で多くの人の気持ちや心を結ぶこと」だ。平塚市という大きな舞台で、奏でるメロディーと市民の橋渡しに徹するつもりだ。
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