犯罪現場に光る鑑識の目 大磯警察署協議会 足跡採取など視察
警察署の業務運営に地域住民の声を活かすことを目指して組織されている大磯警察署協議会(坂井俊六会長)の会合が同署で10日に開かれ、協議会委員が鑑識活動を視察した。 鑑識活動の視察は警察の仕事について理解を深めてもらおうと、同署が実施。刑事ドラマで見かける、足跡と指紋の採取を刑事課の鑑識係2名が実際にやってみせて説明した。
足跡採取では、廊下の床をライトで照らして浮かび上がった靴底の跡をゼラチンと呼ぶ透明シートに転写する方法や、黒いシートの上で静電気を放射する機器をかざして足跡を取る手法が紹介された。「靴底の形や向き、紋様から犯人の人数、どこから侵入して逃げたかなどを割り出していく」と鑑識係。
また、委員たちは茶色い瓶と白い紙から指紋を採る様子を見学。手袋をはめ、刷毛を持って指紋採取の体験もした。特殊な薬品をスプレーした紙幣に紫色の指の跡が表れるのを見て感心。「犯罪現場で採取した資料は1点1点記録し、写真を撮る。単純で地道な作業の繰り返しだが、事件解決のために手間を惜しむことはできない」という鑑識係の言葉にうなずいていた。
警察署協議会は全国すべての警察署に設置されている機関。地域住民の代表が協議会委員となり、警察署長に対して意見や要望を述べる。また、警察署長が警察の業務運営について住民に説明し、理解と協力を求める場でもある。
大磯警察署協議会は委員7名で構成。会議では牧智明署長以下、警務課や地域課、交通課、生活安全課など各課の担当者が出席し、管内の犯罪発生状況や交通安全への取り組みなどを委員へ報告している。10日の会合では防犯について署員が「侵入盗で怖いのは、犯人と出くわして危害を加えられること。日中や在宅時でも家の戸締りをしっかりしておくのがいいです」とアドバイスした。
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